薬も医者もいらなくなる本!
●血圧もコレステロールも高くて大丈夫!
→コレステロールはすべてのホルモンのもとで、三分の二は肝臓などさまざまなで体内の臓器で作られています。コレステロールの高い人は、頭の回転も速いし、スケベ心もあるものです。スケベと頭の良さは比例していると思います。「英雄、色を好む」などという諺もあります。歴史上、偉業を成した人はだいたいスケベです。私は「心臓さえ悪くなければ、総コレステロール値は300mg/dlまでは心配ない」と言っています。
●ダイエットも粗食も体に悪い!
→痩せると長生きするというのは、ほとんど動物実験によるものです。人間の場合、夕食を食べても、明日の朝食を食べることもわかっています。次には食べることが出来ないかもしれない…と、昼飯をお腹がパンパンになるまで食べる人はいません。普通の人なら、自然にダイエットをしていると言えます。
●薬を飲むほど病気が治りにくい!
→効果がある薬は、効果を出すだけの強い作用があるので、当然副作用もあります。逆に効果が低い薬は、短期間であれば体の負担になるほどの副作用はないかもしれませんが、長い間飲み続ければ負担がかかってきます。何種類もの薬を服用されている方も多くいます。「治験」という国のテストに合格した薬が市販されることになっていますが、治験はその一薬剤の効用を調べるシステムで、他の薬剤と併用して調べることはほとんどありません。二種類も三種類も混ぜた時の副作用など全くわかっていないのです。
●タバコと肺がんには因果関係はない!
→喫煙率がどんどん下がっているのに、肺がんの死亡者数は増え続けています。タバコと肺がんに因果関係があるか疑問です。肺がんの原因としては、煙草より排気ガスの影響が大きいという声もあるのです。また、ニコチンにはさまざまな効用があるのでは、ということで、うつ病やアルツハイマーなどの分野で研究が進められています。
●ちょい太めの人の方が長生きする!
→二〇〇九年に発表された厚生労働省の研究班の調査でも、四十歳時点で太り気味の人がもっとも長寿であることがわかりました。もっとも短命なのは痩せた人で、太り気味の人より六~七年短命だったのです。日常生活に何の困難もないという程度の太り方なら、問題はないはずです。
著者プロフィール
順天堂大学医学部名誉教授。1942年生まれ。千葉大学大学院医学研究科修了。医学博士。スタンフォード大学留学、東京大学医学部講師を経て、順天堂大学医学部教授、同大学医学部長を歴任。サプレッサーT細胞の発見者。ベルツ賞、高松宮奨励賞、安田医学奨励賞、ISI引用最高栄誉賞、日本医師会医学賞などを受賞。免疫学の国際的権威である。
目次
はじめに──二十一世紀は〝心の世紀〟
第1章 自分でできる免疫力アップ
免疫の基本はリンパ球
T細胞、B細胞は年齢にも気分にも左右されない
がん細胞をやっつけるのがNK細胞
NK細胞はネガティブなストレスのときにがくんと下がる
NK細胞は昼は高くて夜は低い
五十代になったらNK細胞を活性化する生活を
笑うことでNK活性が上がる
ほどほどの「ちんたら運動」が体にいい
第2章 薬と医者は遠ざける
⑴ 血圧もコレステロールもある程度高くて大丈夫
風邪とインフルエンザはまったく違う病気
なぜコレステロールが悪者になったのか
悪玉コレステロールも大事な役割をしている
コレステロール値が低いとがんになる危険が高くなる
コレステロール値が低いほど死亡率が高くなる
総コレステロール値は三百㎎/dℓ以下なら放っておいていい
血圧は百八十以下なら気にする必要はない
⑵ 粗食信仰とタバコ悪者説の大間違い
ちょい太めの人のほうが長生きする
バラエティ豊かに好きなものを食べる
ダイエットも粗食も体に悪い
タバコと肺がんには因果関係はない
ニコチンはストレスを解消させる
五十歳まで吸い続けてきた人は吸い続けていい
⑶ 薬も医者もできるだけやめる
薬を飲むほど病気が治りにくく、危険が高くなる
「薬は飲まない」「医者にはかからない」が一番の健康法
検査で注意すること、しなくていいこと
がんになってしまったら……
七十歳以上であれば、がんは放っておいても余命は変わらない
第3章 病気と免疫の関係
マクロファージと顆粒球の役割
T細胞には攻撃を仕掛けるものや抑制するものがある
T細胞は地上軍、B細胞はミサイル発射
がん細胞を見つけ死滅させるNK細胞の発見
NK細胞発見の裏話
NK活性が低いとがんになりやすい
新たながん治療への光明、NKT細胞
怖い免疫不全
自分を守るべき軍隊が自分を攻撃してしまう「免疫病」
緊張すると花粉症が止まる?
アトピー性皮膚炎と石鹼
第4章 ちょい不真面目な人は病気にならない
⑴ 「若返り」の薬よりも、ちんたら運動で「健康長寿」
「長寿」を犠牲にしても「不老」を求める人たち
たんに長生きするだけならば方法はある
アンチエイジング治療は危険が大きい
成長ホルモンで若返る?
五十歳過ぎたら運動のやり過ぎは禁物
体育会系出身者のほうが寿命が短い
週三時間以上の運動で細胞の寿命が長くなる?
「ちんたら運動」が体にいい
⑵ 腸内を健康に保てば免疫力が高まる
粗食は体に悪い、歳をとっても肉も魚介類も何でも食べる
納豆、キノコ類はNK細胞を活性化する
腸内には免疫細胞の七〇%が集まっている
小腸は脳の支配を受けない
高齢になるほど腸内の善玉菌が少なくなる
乳酸菌が長寿に効果
体を温めるとNK細胞が活性化する
⑶ 「いい人」をやめれば病気にならない 191
感情はためこまないで解放させる
仲間をつくるようにする
「いい人」をやめればストレスはたまらない
独身者は寿命が短い
男性が健康で長生きするには、そばに女性がいることが必要
お金と権力への執着が強い人ほど長生きする
脳と免疫
「健康長寿」への七つの習慣
おわりに