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科学・科学技術に関わる新しい動向や注目の研究を、「深く・わかりやすく・面白く」伝える30分の情報ドキュメンタリー

TOKYO MX|地デジ9ch/UHF14CH 視聴エリアはこちら
毎月第3土曜日夜7時〜7時30分放送
[再]第4日曜日朝8時〜8時30分放送

過去の放送タイトル|2009-2008年|2007年-2006年2005年-1998年



過去の放送タイトル|2009年-

1月16日(土)夜7時放送 [再] 1月24日(日)朝8時放送
道具、言葉、社会性から探る人間らしさの起源


ヒトの祖先を人間へ進化させたといわれる道具と言葉を操る能力。私たち人間はこれらを駆使し、高度な文明社会を築いた。番組では、理化学研究所脳科学総合研究センターの3人の科学者に取材。「ヒトはかつて道具を使うことによって“私”という心を宿した」「言葉が想像力を生み、時間の観念を生んだ」「社会性は助け合いではなく抑制・我慢からはじまる」という人間性の起源に迫る刺激的な仮説を紹介する。 

道具の使用が「心」を生んだ!?
人間と動物を分けたといわれる「道具」の使用。人間を宇宙へ運ぶまでに発展したこの道具の使用が「人間の心」を生んだと入來篤史さんは指摘する。人間が道具を使い始めた時、<動かしている私>と、<動かされているモノ>という分離が起こり、それが心の誕生へとつながったという。

「言葉」が作る昨日、今日、明日
動物の音声から人間の言語の起源を研究している岡ノ谷一夫さんは、人間は「言葉」を獲得することによって、「昨日、今日、明日」という時間の概念が生まれたと主張する。「言葉」を利用する中で飛躍的に伸びた人間の想像力は「死」の観念を芽生えさせ、それがさらに文化を発展させたのだという。

社会関係の根底には我慢がある?
脳科学の立場から社会性を研究している藤井直敬さんは、人間社会を支えているのは、思いやりや助け合いの心ではなく抑制(我慢)だと考えている。サルの社会行動を脳活動を測定しながら実験的に調べた結果、人間社会の本質がみえてきたという。

テクノロジーの進化と「人間らしさ」の未来
私たちの「人間らしさ」を生んだ文明社会は、脅威的なスピードで新たなテクノロジーを生み出し続けている。この新たなテクノロジーは、私たちの「人間らしさ」を、これからどのように変化させていくのだろうか?

<主な取材先>
理化学研究所 脳科学総合研究センター
入來篤史さん(脳科学総合研究センター象徴概念発達研究チーム)
岡ノ谷一夫さん(同センター生物言語研究チーム)
藤井直敬さん(同センター適応知性研究チーム)

 










12月19日(土)夜7時放送 [再] 12月27日(日)朝8時放送
ミライカメラ
超進化するデジタルカメラのゆくえ


未来のカメラはどうなるのか? フィルムの画質を超えたデジタルカメラは、写真を撮る道具から多様な方向性に進化し、これまでのカメラの概念を変えてしまった。超進化するデジタルカメラの未来に迫る。

フィルムに追いつけ追い越せ!
カメラの歴史200年の中で、デジタルカメラの登場はごく最近のことだ。21年前、わずか40万画素から始まったデジタルカメラは、今年ついに2450万画素に到達。フィルムの画質に追いついた。画素数競争が終わったいま、デジタルカメラはどんな進化をしようとしているのか?

一眼レフからの進化
デジタルになっても上位機種とされる、レンズ交換式の一眼レフカメラ。ある機構を無くすことで、高画質のままコンパクト化がなされたという。その機構とは?

決定的瞬間!の進化
フィルム時代には秒10コマが限界だった連写枚数。デジタルになり、秒60コマ連写が可能になった。さらに、狙ったシーンを長い時間にわたり連写し続けることで、これまで考えられてきた決定的瞬間の意味が変化してきたという。

ハイ!チーズの進化
全自動で人物の顔を探して動き、ピントを合わせてシャッターを切り続けるカメラがある。美しい構図までカメラが考えて撮影してくれる。メカメラがカメラマンになってしまうモ先端のデジタル技術がそれを実現させた。

レンズに合わせた進化
ドイツのカメラメーカー、ライカは、フィルム時代に究極の完成をみたレンズを、デジタルの時代に融合させようとしている。ライカのデジタルカメラとは、デジタルに合わせてカメラを作るのではなく、レンズに合わせてデジタルを設計する独特のものだ。

一つ眼から二つ眼への進化
常識を覆し、二つのレンズで写真を撮るカメラがある。それは、裸眼で3D立体写真を撮るためのものだ。人の眼に近づくデジタル技術は、より自然な立体映像を実現しつつある。

写真を観る!の進化
カメラは写真を撮るための道具。この概念を覆すカメラが現れた。小型プロジェクターを内蔵し、撮った写真をすぐに映像投影できるカメラだ。写真を観るという楽しみを、カメラ手伝ってくれるという。

撮ってすぐ加工!の進化
撮った写真をすぐその場で加工して楽しみたい。そんな欲求を満たしてくれるのは画像処理アプリケーションだ。カメラ付き携帯電話iPhoneで撮った写真を、ミニチュア写真風に加工してしまうソフトウェアがある。

GPS付き写真の進化
GPSによる位置情報を、写真に記録することができる。それにより、撮った写真の位置を地図に反映させて表示させられるのだ。世界一周旅行に同行したカメラマンの撮った写真は、地球規模にマッピングされていく。

ミライカメラ
フィルムカメラになかった機能を開拓したデジタルカメラは、レンズの前の世界を、膨大な情報の塊として捉えている。決定的瞬間さえも際限なく細かく割って撮影できてしまうような、新しい時代が始まっている。

<取材協力>
梶英信さん(Nikon)
杉田幸彦さん(OLYMPUS)
宮田陽さん(CASIO)
楠部祐三さん(SONY)
米山和久さん(Leica)
藤本真一さん(FUJIFILM)
小宮山桂さん(Nikon)
深津貴之さん(Art&Mobile)
青木勝さん(写真家)
清水穣さん(同志社大学教授)
 











11月21日(土)夜7時放送 [再] 11月29日(日)朝8時放送
共感覚のミステリー
音や文字に色を感じる!?


音楽を聴くとそこに存在しない色を感じ、文字や数字に実際の色とは違う色が見えてしまう。この不思議な現象は「共感覚」と呼ばれ、芸術家に持つものが多いと言われてきた。番組では、脳科学や心理学の分野で最近始まった共感覚研究の最前線を取材。3人の共感覚者が語る生の声を紹介しながら、その驚きの世界を探った。

音に色を感じる色聴共感覚
共感覚の研究者である関西学院大学の長田典子教授は、自身も音楽に色を感じる色聴共感覚者。色聴共感覚者が音楽を聞くときに脳がどのような活動を示すかをfMRIを用いて測定し、実際に色を見ているときに活動する視覚野の領域が活動していることを明らかにした。

文字や数字に色が見える色字共感覚
東京大学では、文字に色を感じる色字共感覚者を被験者とした実験を行っている。実験に参加している2人の色字共感覚者にインタビューを行い、文字にどのように色がついて見えるのかを詳しく聞いた。

視覚と聴覚の連携が共感覚を生む?
中央大学の山口真美教授は、赤ちゃんの視覚と聴覚の連携がいつごろ生まれるのかを調べている。実験の結果、生後5カ月〜7カ月の間に視覚と聴覚の連携がうまれることがわかったという。この連携が生まれた時に、共感覚の素地ができているのではないかと山口教授は指摘する。

誰もが持つ共感覚的なはたらき
色字共感覚の研究をしている東京大学の横澤一彦教授は、誰もが共感覚者と同じような感覚を生むメカニズムを持っていると指摘する。番組が行った「二つの図形にブーバとキキという名前を付ける実験」を通して、誰もが持っている共感覚的な認識を探った。

<取材協力>
長田典子さん(関西学院大学)
横澤一彦さん(東京大学)
山口真美さん(中央大学)











10月17日(土)夜7時放送 [再] 10月25日(日)朝8時放送
耐震補強が命を守る
迫り来る首都直下地震


都市部で地震が起こった場合、命を落とす被害者のほとんどが倒壊する建物の下敷きになって死亡していることが最近の研究からわかってきた。1995年に発生した阪神・淡路大震災では死者の95%が建物の影響で亡くなった。そして倒壊した建物のほとんどが築年数の高い木造住宅であったという。地震による死者を減らすため、耐震補強の必要性を検証する。


東京は世界的地震多発地帯
東京の地下は3つのプレートが集中する世界的にも稀な地域である。複数のプレートに蓄積されるひずみを解放するため、歴史的に大きな地震が繰り返し起こってきた。政府の地震調査研究推進本部の発表では、この先30年の間に東京がマグニチュード7クラスの地震に襲われる確率は70%。東京は今、世界的に見ても最も地震のリスクが高い都市のひとつと言える。

地震で倒壊した住宅に共通することは?
震度7の大地震が都市部を襲い6000名以上の被害を出した阪神淡路大震災。この地震で倒壊した建物を調べるとある共通性があった。神戸市灘区で倒壊した木造住宅を集計したデータを見るとその97%が1981年以前に建てられた住宅だったのだ。住宅の耐震診断に同行しその理由を追った。

木造住宅を狙い撃ちする揺れ“キラーパルス”
地震の揺れ方には様々なタイプがあることがわかってきた。なかでも一般住宅などの低層の建物に大きなダメージを与える特徴的な揺れの存在が注目されている。阪神淡路大震災ではこの揺れにより、10万棟を超える建物が倒壊したという。“キラーパルス”と呼ばれるこの揺れはどのようなものなのか? この揺れは東京でも発生する可能性があるのか?

大地震による住宅の倒壊を防ぐ耐震補強
政府の中央防災会議が発表した首都圏で発生の可能性がある直下地震のうち、もっとも大きな被害が想定されているのが、東京湾北部を震源とするマグニチュード7クラスの地震である。この地震により倒壊すると予想される住宅は15万棟。被害を防ぐには、まずは耐震補強が重要となる。大田区にある木造住宅の耐震補強工事を取材した。

耐震補強は有効か?
古い住宅に施す耐震補強は、大地震に対して本当に有効なのか? 防災科学技術研究所では、実物大の木造住宅に対して地震の揺れを与える振動実験を行っている。実験では1970年に建築された木造住宅に耐震補強を施し、その耐震強度を調べた。果たして耐震補強した木造住宅は大地震の揺れに耐えられるのか。

<主な取材先>
島崎邦彦さん(地震予知連絡会会長)
宮澤健二さん(工学院大学教授)
目黒公郎さん(東京大学教授)
古村孝志さん(東京大学地震研究所教授)
青井真さん(防災科学技術研究所)
中村いずみさん(防災科学技術研究所)
横藤田智さん(朝日リビング耐震技術認定者)
井口敬介さん(大田区木造住宅耐震診断士)











9月19日(土)夜6時30分放送 [再] 9月27日(日)朝8時放送
ちょっと、宇宙に行ってきます
有人宇宙開発の未来


アポロ11号による月面着陸から40年。私たちが誰でも宇宙へ行ける時代が近づいてきている。2008年には中国が宇宙飛行士の船外活動に成功し、2010年には民間会社が主催する宇宙旅行へ日本のサラリーマンが旅立とうとしている。さらには宇宙エレベーターと呼ばれる、まるでSFのような方法で宇宙に行く研究が進んでいる。番組では有人宇宙開発の今と未来を探った。

スペースシャトルの引退と各国の有人宇宙開発
80年代以降、有人宇宙開発の主役であったNASAのスペースシャトル。コスト面、安全面の理由から、数年以内の引退が濃厚になっている。そんな中、中国が2008年に神舟7号の打ち上げ、宇宙飛行士による船外活動に成功した。さらにはインドも2015年の有人宇宙飛行を計画している。各国が独自の有人宇宙開発を進める中、日本はどのような計画を持っているのだろうか?

無人補給機HTVと日本の有人宇宙開発
2009年9月11日、国際宇宙ステーションへの物資を届けるため、日本初の無人補給機・HTVが打ち上げられた。このHTVは将来、有人宇宙船として利用できるのではないかと期待されている。2009年に政府の宇宙開発戦略本部が発表した「宇宙基本計画」は、日本の有人宇宙開発をどこへ導こうとしているのか?

日本のサラリーマンが宇宙へ
国内のIT企業でサラリーマンをしている稲波紀明さん。彼は2010年に宇宙へ旅立つ。ヴァージン・ギャラクティック社による弾道宇宙旅行に参加するのである。4分間の無重力を体験できる旅行費用は、なんと2000万円。何が稲波さんを宇宙旅行へと向かわせたのか?

新たな素材の発見で研究が進む宇宙エレベーター
静止軌道上のステーションから地上にケーブルを垂らし、そのケーブルを登り宇宙へ行くという宇宙エレベーター。ロケットを使わずに宇宙にアクセスできる宇宙エレベーターとはどのようなものなのか? その素材として注目される鉄の100倍の強度を持つという新炭素素材や、動力源として期待されるレーザー推進がもたらす未来とは?

<主な取材先>
橋本安男さん(日本航空協会)
佐々木宏さん(JAXA)
佐藤直樹さん(JAXA)
稲波紀明さん(宇宙旅行者)
浅川恵司さん(クラブツーリズム)
青木義男さん(日本大学・宇宙エレベーター協会)
金子隆一さん(サイエンスライター)
永瀬雅夫さん(NTT物性科学基礎研究所)
佐宗章弘さん(名古屋大学)











8月22日(土)夜7時放送  [再]8月30日(日)朝8時放送
驚き!野菜工場 誰でもつくれる未来の畑

最近、野菜を建物の中で栽培する技術が注目を集めている。植物の成長にとって最適な環境を人工的につくるこの技術は植物工場とよばれ、収穫効率、栄養価、味などの面で露地栽培を上回るという。野菜作りの常識が変わる植物工場の最前線に迫る。

植物工場とはどんな技術か
野菜のつくり方を変えた未来の畑・植物工場。自然環境から切り離された人工環境で栽培される野菜づくりとはどのような技術なのか? 植物工場で生産された野菜の持つ優れた特徴とは?

大手飲食チェーン大戸屋の参入
空きスペースがあれば誰でも簡単に野菜を作ることができる植物工場。熟練した技術が必要ないため、異業種からの参入が相次いでいる。飲食チェーンの大戸屋は、野菜を自社の植物工場で生産し、サラダとして提供する試みをスタートさせた。食の安全への関心が高まる今、飲食業からの注目度は高い。

植物工場はどのように誕生したか?
野菜を工業生産しようとする試みは、ある日本人研究者によって35年前に始まった。植物の成長と環境条件を緻密に計測し、その関係を明らかにしようという研究だ。その結果、環境の制御によって野菜の生育をコントロールすることが可能になり、現在の植物工場の基礎が確立された。

植物工場のさらなる可能性
植物工場の普及に向け、現在様々な研究が進んでいる。特殊な土を使って少ない水で野菜をつくる技術や、光を操ることによって野菜の栄養価を高める技術など、これからの野菜を変える新技術を紹介する。

<主な取材先>
高辻正基さん(財団法人社会開発研究センター)
嶋村茂治さん(株式会社みらい)
三森久実さん(株式会社大戸屋)
金子裕一さん(小津産業株式会社)
伊藤公洋さん(毛利Salvatore Cuomo)
大山敏雄さん(株式会社野菜工房)
藤原澄久さん(丸紅株式会社)
後藤英司さん(千葉大学)











7月18日(土)夜7時放送  [再]7月26日(日)朝8時放送
皆既日食 そのとき何が起こるのか?

2009年7月22日、日本では実に46年ぶりに皆既日食が見られる。太陽が月に完全に隠れる時間は今世紀最長の6分以上。番組では、この世紀の天体ショーに沸く日食ファン、神話の時代にさかのぼる日本人と日食のつながり、時代とともに進化を続ける太陽観測など、今回の日食をより楽しむための情報をレポートする。

世紀の天体ショーに沸く日食ファン
皆既日食ツアーの説明会は日食ファンで大盛況。世界中で起きる皆既日食を追いかけている日食ハンターと呼ばれる人たちは「日食の感動は肉眼で見ないと絶対味わえない。」とその魅力を語る。そこまで心を惹きつける皆既日食の魅力とは何なのか?

不吉の前兆? 神様? 日本人の日食信仰
日本での日食の歴史は神話の時代から始まった。有名な「天岩戸開き」神話も日食を表したものといわれ、「日本書紀」には年代が明確な日食の記述がある。不吉の前兆とも疫病の身代わりをしてくれる神様ともいわれてきた日食。日本人と日食のつながりをひも解いていく。

日本初のコロナ写真に秘められたドラマ
明治20年8月19日、新潟から茨城県にかけて皆既日食が起こった。政府は官報に皆既日食時のコロナの観測方法を示した「白光写図心得(コロナシャズコロエ)」を掲載し、国を挙げて観測に挑んだ。当時の気象庁長官・荒井郁之助は、専門家が集まる関東近辺ではなく新潟を観測地に選び、日本で初めてコロナの写真撮影に成功した。

太陽の観測は地上から宇宙へ
日本初の皆既日食の写真撮影から120年。コロナの観測は太陽の秘密を解き明かしてきた。昭和24年に標高2800mを超える高地に作られた乗鞍コロナ観測所は、半世紀にわたる観測から、ついにコロナ活動の11年周期を実証した。そしていま、太陽観測の舞台は宇宙へと移り、太陽観測衛星「ひので」が地球軌道上から太陽を見つめている。「ひので」から見た太陽の驚異の姿とは? 「ひので」の登場で研究が進む「コロナ加熱問題」とは?

<主な取材先>
渡部潤一さん(国立天文台)/ 末松芳法さん(国立天文台)/ 木挽俊彦さん(国立天文台)/ 荒木常能さん(郷土史家)/ 唐崎健嗣さん(ホットスター)/ 中村士さん(帝京平成大学)/ 都築泰久さん(ビクセン)











6月20日(土)夜7時放送  [再]6月28日(日)朝8時放送
電気は貯められない?
エネルギー利用の最新テクノロジー 

電気が電気エネルギーのままでは貯められないことは、意外と知られていない。番組では、水を使った巨大なバッテリーである揚水ダム、回転運動で電気を貯めるフライホイール、超電導で電気を貯める驚きの最新技術などを取材。エネルギーを効率的に利用するために注目を集める電力貯蔵技術の最前線をレポートする。

山奥の巨大バッテリー
夜間電力を使い低いダムから高いダムへ水を汲み上げ、電気エネルギーを位置エネルギーに変換する揚水ダム。それはいわば、“水を使って充電する”巨大なバッテリーである。発電と揚水の2つの役割をこなす巨大な水車が、地下500mの大空間に隠されていた。

回転する円盤に電気を貯める
東京工業大学の嶋田研究室ではフライホイール蓄電装置を開発している。電気を回転する円盤(フライホイール)の運動エネルギーへ変換して貯蔵するこの装置は、仕組みがシンプルで安全性が高いという。莫大な電力を必要とする核融合の研究施設では、重さ600トンの鋼鉄製のフライホイールが稼働していた。

超電導でフライホイールを回す?
JR東海では、フライホイールのエネルギー効率を高める驚きの研究が進められている。超電導コイルによって強力な磁力を生み出し、巨大な鉄のフライホイールを宙に浮かせ、摩擦によるエネルギーロスをなくそうという技術である。

超電導で電気を電気のまま貯める?
超電導により電気抵抗がゼロになる現象を利用して電力を貯める研究も進められている。電気抵抗がゼロになったコイルに電気を流して強力な磁界をつくり、その磁界によって回路内に流れ続ける電流を、必要なときに取り出すという技術だ。

NAS電池 化学反応で電気を貯める
「充電池」によって大容量の電力を貯める技術はすでに確立されている。鉛電池にくらべ3倍もの電気を貯めることができるNAS電池だ。大型化が容易で、停電時の補助電力や安価な夜間電力の有効利用を目的に、すでに多くの施設に設置されている。

<主な取材先>
嶋田隆一さん(東京工業大学)
野村新一さん(東京工業大学)
松川誠さん(日本原子力研究開発機構)
五十嵐基仁さん(JR東海)
井上潔さん(東京都下水道局)
渡部繁則さん(東京電力)
良知秀樹さん(東京電力)











5月16日(土)夜7時放送  [再]5月24日(日)朝8時放送
動物の見ている世界を知りたい

動物はその暮らしている環境や生態によって、さまざまな形の目を持っている。生き物たちの目に、世界はどう見えているのだろうか? また、彼らは、私たちがモノを見るときのような視覚体験を持っているのだろうか? 動物の見ている世界に迫る。

多様な動物、いろいろな目
昆虫から哺乳類まで、様々な目を持った動物がいる。例えば草食獣か肉食獣かで、目の付き方が大きく違うようだ。これは、それぞれの動物の暮らしぶりの違いに応じて、目が進化してきた結果である。

昆虫の眼には紫外線が見える!?
昆虫の目には、ヒトには決して見ることができない紫外線が見えているという。紫外線を写すことができる特殊なフィルターを使うと、花には蜜の在りかを示す蜜標が浮かび上がる。昆虫はヒトが知らない豊かな色の世界を見ている可能性がある。

1秒300コマを見分ける目、流れる風景を計測する目
ミツバチの目は動きに対する高い解像力を持っている。1秒間になんと300コマを識別できるという。ミツバチはこの能力によってスズメバチの攻撃から身をかわすことができる。さらに最近の研究では、ミツバチは目に映る風景の流れから、飛行距離を割り出していることが明らかになった。

目の前にあっても“見ない”という戦略
ウシガエルは、たとえ目の前に餌があっても、それが動かない場合には食いつかない。そして、その判断は、脳ではなく目の段階で決められているという。これは、天敵からの逃避行動に関しても同じだと言う。

ハトはヒトよりもディティールにこだわる?
ハトは広い視野角を持っている。そして焦点を合わせられる場所が2箇所もあり、餌と外敵の両方に気を配っている。さらにハトは、非常に局所的にものを見ることができ、細かい部分の違いを見分ける能力にすぐれているという。

動物が見ている世界を想像する
動物の視覚の特徴をもとに、昆虫の視覚を再現したシミュレーション映像を作ってみた。しかし、そこには大きな落とし穴があった。そもそも動物は、私たちが世界を見るような視覚的な体験を持っているのだろうか?

<主な取材先>
蟻川謙太郎さん(総合研究大学院大学)
石金浩史さん(専修大学)
佐々木正巳さん(玉川大学)
鈴木光太郎さん(新潟大学)
渡辺茂さん(慶應義塾大学)











4月18日(土)夜7時放送  [再]4月26日(日)朝8時放送
パワードスーツ最前線
身体を拡張するロボット技術

最近、より人の生活に役立つものという発想に基づいたロボット研究が注目を集めている。人間が身につけることにより身体機能を増幅したり、補助したりする、一般的に「パワードスーツ」と呼ばれる装置の開発だ。これまでSFの世界で活躍してきた夢の機械が今、現実になりつつある。

パワー増幅ロボット
パナソニックの社内ベンチャー、アクティブリンクが開発するのは、装着することにより人間の力以上にパワーを増幅する装置だ。手元のコントローラーで操作し100キロの重量物を持ち上げることができる。今後、建設現場や工場などで利用され作業効率を改善することを期待されている。

パワードスーツの原点とは
パワードスーツという概念は、ロバート・A・ハイラインの「宇宙の戦士」に登場した「強化防護服」が出発点となっている。同作品の文庫版の挿絵イラストは、それ以降のロボットアニメーションの造形に大きな影響を与えたと言われている。空想から現実の技術が生まれた背景を探った。

福祉の分野で活躍するパワードスーツ
90年代、日本では福祉の分野でパワードスーツが開発されてきた。神奈川工科大学の「パワーアシストスーツ」は、全身に装着することで身体の力をアシストし、介護する側の抱き上げ時の負担が軽減されるという。
  
ついに市販化されたロボットスーツHAL
すでに実用化への道を切り開いた研究がある。筑波大学の研究室から生まれたベンチャー企業、サイバーダインの「パワードスーツHAL」である。歩行を補助する目的で開発された「HAL福祉用」は医療施設のリハビリの現場で導入され始めている。

人の歩行をアシストする
ホンダは二足歩行ロボットの研究を元に、人間の歩行をアシストする装置「体重支持型歩行アシスト」を開発中だ。使用する人の体重を支え、足の筋肉や関節への負担を軽減する機能があるという。自転車のように手軽に利用することができる未来の機械を目指している。

<主な取材先>
山海嘉之さん(筑波大学大学院)
山本圭治郎さん(神奈川工科大学)
加藤直之さん(SF画家・イラストレーター)
永瀬唯さん(科学評論家)
城垣内剛さん(アクティブリンク)
芦原淳さん(本田技研工業)
田中一正さん(大和ハウス工業)
好川哲平さん(茜会昭和病院)












3月21日(土)夜7時放送  [再] 3月29日(日)朝6時放送
危機に瀕するネットセキュリティ
〜狙われるID・パスワード〜

悪質なコンピューターウイルスがばらまかれ、一般ユーザーのパソコンの多くが感染させられている。さらに、企業のWEBサイトが攻撃され、改ざんされる事件も多発している。番組では、ネットセキュリティの危機的な現状をレポートする。

コンピューターウイルスには必ず感染する!
セキュリティ対策のないパソコンをインターネットにつなぐと、わすか4分で確実に何らかのウイルスに感染するという。ウイルスに狙われているのは個人を証明するIDやパスワード。しかも隠密裏に盗まれるため、本人の知らぬ間に、個人情報がネットに流出していく。

セキュリティ対策に絶対安全は無い
高度なハッキング技術を駆使すれば、理論的にはインターネットでアクセスできない場所はない。ネットに潜む悪意を持った人間たちが、ブラックマーケットを形成し、金銭につながる個人情報を狙っている。

予測できない大規模サイバー攻撃
企業や団体のWEBサイトが金銭目的で攻撃されるサイバー犯罪が多発している。攻撃方法は巧妙で悪質化しており、ここでも狙われるのは個人のIDやパスワード。サイバー攻撃をリアルタイムで観測する技術の重要性が高まっている。

個人のパソコンを侵す脅威
ボットと呼ばれるウイルスが爆発的に広まっている。このウイルスに感染したパソコンは、悪意のある第三者によって外部から遠隔操作することが可能になるという。あなたのパソコンが、いつのまにか犯罪に加担してしまうという事態が現実のものになろうとしている。

分岐点に立たされるインターネットの世界
リスクを踏まえた信頼関係を守っていくのか。安全管理を誰かに委ねてしまうのか。インターネットの世界は、法整備や個人の意識の問題も含めて、いま分岐点に立たされている。

<主な取材先>
ラウリ コルツパルンさん(サイバーディフェンス研究所)
岡嶋裕史さん(関東学院大学)
西本逸郎さん(LAC サイバーリスク総合研究所)
井上大介さん(NiCT)
斉藤健一さん(ハッカージャパン)
平原伸昭さん(トレンドマイクロ)
浜田譲治さん(シマンテック)











2月21日(土)夜7時放送  [再] 3月1日(日)朝6時放送
2009EV元年 電気自動車の時代がやって来る

今年ついに電気自動車の一般向け販売が始まる。三菱自動車は「iMiEV」を夏に、富士重工業は「プラグインステラ」を年内に発売する予定だ。エネルギー効率が高く、走行時に二酸化炭素を排出しない電気自動車が、ガソリン車に代わる可能性はあるのか? その最前線に迫った。

電気自動車ってどんな車?
電気自動車は一般的なガソリンで走る自動車とどのような違いがあるのか? 実際に電気自動車に試乗し、乗り心地などをレポートする。

昔から走っていた電気自動車
実は電気自動車が実用化されたのはガソリン車より12年も早い1893年のこと。約60年前には、日本でもタクシーなどで活躍していた。戦後、「たま電気自動車」で多くの電気自動車の開発に関わった技術者に当時の話を聞いた。

携帯電話が電気自動車開発のカギを握っていた?
電気自動車普及への最大の難題は蓄電池技術の向上だった。その転機は1990年のリチウムイオン電池登場である。リチウムイオン電池は従来の充電池に比べどのように優れているのか? 
  
電気自動車の時代が始まった!
電気自動車の普及に不可欠な充電インフラの設置も進んでいる。全国の自治体で初の実証試験を行ってきた神奈川県では現在、普及のための様々な取り組みをすすめている。企業ではローソンが店舗巡回車に利用し、実験結果を踏まえ本格導入を予定している。商業施設ではイオンが初めて電気自動車用の急速充電器を設置した。さらに、電気自動車対応の住宅も登場した。今年はまさに「電気自動車元年」になるのか?

<主な取材先>
前城正一郎さん(三菱自動車)/富士重工業/日産自動車/御堀直嗣さん(モータージャーナリスト)/原由紀子さん/田中次郎さん/沢井研さん(GSユアサ)/金村聖志さん(首都大学東京大学院教授)/杉江嘉美さん(神奈川県電気自動車担当課長)/柳沼博之さん(ローソン)/合田正典さん(イオンレイクタウン)/柳田智章さん(東急電鉄)/松崎通範さん(東京電力)










1月17日(土)夜7時放送  [再] 1月25日(日)朝6時放送
自転車都市TOKYO これからの移動のカタチ

なぜ今、自転車がブームなのか? 最新の電動アシスト自転車やクロスバイクなどを紹介しながら、都市交通における自転車の可能性を探っていく。

ロードバイクで風になる!
18世紀から進化を続けてきた自転車。高性能な自転車がそろった現代は、人力で走る最速の乗り物を手に入れたと言える。いま、どんな自転車が乗られているのか?

電動アシスト自転車のパワーアップ
バッテリーの性能向上と回生充電、そして法律の規制緩和により、電動アシスト自転車は別次元の乗り物へと進化している。経済性と環境意識から、商用利用も進みはじめた。若者向けの車種も出そろい、爆発的な普及の兆しをみせている。

自転車通勤が可能な距離は?
無理をせずに自転車で通勤できる距離は驚くほど長い。そして、自転車通勤は、乗り手にも会社側にもメリットをもたらすという。また、自転車で散歩をするように走る「散走」と呼ばれるような楽しみ方も広がってきた。

歩道 or 車道、自転車はどこを走るべき?
法律上、自転車は車道を走るべき車両だが、実際には自転車にとって走りにくい車道だらけである。だが、自転車にとって安全な道路だけが掲載された特別な地図を使えば都内の移動は快適になる。地図に記されたルートは、地上ばかりではない。

クルマから自転車への転換で都市が変わる!?
自転車が都市交通の主役となると、渋滞がなくなり、バスと自転車が道路上で共存することが可能になるという。また、放置自転車の問題も、コンピュータ制御の巨大な地下駐輪場の登場により、解決の糸口が見え始めた。

パリ、自転車のフランス革命
パリ市は、クルマから自転車への転換を推進する、大胆な政策をとった。それは、多数のステーションを持つ、30分無料のレンタサイクルだという。これにより、街歩きを楽しむパリジャンの伝統が取り戻され、都市に活気が戻ったという。東京がそうなる日は来るのか?

(主な取材先)
藤井聡さん(東京工業大学大学院)
鳥海基樹さん(首都大学東京大学院)
古倉宗治さん(住信基礎研究所)
小林成基さん(自転車活用推進研究会)
田中恒明さん(アーバンエコロジー東京)
 











12月20日(土)夜7時放送  [再] 12月28日(日)朝6時放送
白い光を求めて ろうそくからLEDへの大進化

明かりの起源は、50万年前に灯された炎の光。しかし、その黄色い光には「物の色を正確に見ることができない」という限界があった。だからこそ人類は、この黄色い光にかわる「太陽光のような白い光」を求めて、明かりを進化させてきた。番組では、炎からLEDへいたる明かりの進化の歴史を紐解いていく。

竹が光る? 世にも不思議なエジソン電球の作り方
エジソンが開発した白熱電球。フィラメントと呼ばれる発光する部分には、日本の竹が使われた。このエジソン電球と同じものをつくっている浅田電球製作所の浅田さんにその作り方を見せてもらう。どのようにして竹が光るようになるのか?

日本人は蛍光灯が大好き! その理由は?
年間3億5千万個以上も製造されている蛍光灯。日本の家庭に普及し始めたのは1950年代。最初は電気店がセールスマンを雇って、訪問販売をしていた。それにしても、なぜ日本人は蛍光灯が好きなのか?その理由は意外なところあった。

最新の明かりLED 3色を合わせると・・・
新しい明かりとして注目されているLED。最大手のLEDメーカー日亜化学工業を訪ねると、建物の外壁が巨大なイルミネーションに大変身する。そこで使われているのは赤、緑、青の3色のLED。この3色を組み合わせると・・・

〈主な取材協力〉
宮原諄二さん(東京理科大学)
坪内富士夫さん(教證寺)
浅田精造さん(浅田電球製作所)
後藤隆造さん(桐生織物協同組合)
三森富次さん(ミツモリデンキ)
松下俊雄さん(日亜化学工業)
小林健久さん(日立ライティング)
荻野重人さん(IDEC)











11月15日(土)夜7時放送  [再] 11月23日(日)朝6時放送
歌声はなぜ心に響くのか

コンピューターに、まるで人間のように歌を歌わせることが可能となりつつある。歌い手が人間でなくとも歌声が人の心を動かすのはなぜなのか? その不思議に迫るうちに、歌を歌うことや聴くことが、快楽に関係する脳の深い領域を活性化させることがわかってきた。

かわいらしい声で歌うコンピューター・ソフトの衝撃!
人間ではない歌手が熱狂的な支持を集めている。その名は「初音ミク」。ヤマハのボーカロイドという歌声合成技術をベースにしたコンピューター・ソフトである。擬人化されたキャラクターのかわいらしい歌声は、まだまだ人間らしくはないが、なぜか歌声として人を惹きつける魅力を持っている。

歌声を合成するには、実は人間の歌声が必要?
初音ミクの歌声は、ゼロから作られているのではなく、録音された人間の声を元に、人間らしく合成されている。細かな調整によって歌声を作りこむことで、人間のような「歌い回し」を表現すると、まるで歌手が歌っているかのような印象を与えることができる。

「人間らしさ」とは「歌い回し」にあり
歌声の「人間らしさ」とは「歌い回し」にある。人間の歌い回しを真似る歌声合成ソフトの歌声には抑揚があり、感情を揺さぶるような魅力がある。脳には、人間の歌声に敏感に反応する「スピーチモード」と呼ばれる機能の存在が推測されている。機械の歌声であっても、「人間らしさ」があれば、人の心を動かすことが可能ではなかろうか。

驚異のハイパーソニック・エフェクト
物理的な音波として歌声を捉えた時、人の心を動かす秘められた音の存在が最年の研究からわかってきた。その音の効果は「ハイパーソニック・エフェクト」と呼ばれ、超高周波により脳の深い領域を活性化し、感動や快適さをもたらすという。民族音楽の特殊な歌声には、ハイパーソニック・エフェクトをもたらすものが確認されている。

歌を歌い、聴き、脳が幸せを感じる
小鳥が歌を歌うときに、脳が幸せを感じていることが、最近の研究で明らかになった。報酬系神経回路と呼ばれる快感をつかさどる脳の領域が、小鳥が求愛の歌を歌った時、あるいは、歌おうとした時に活性化することが確認されたのだ。また、求愛の歌を聴くメスも幸せな気分になることがわかっている。人間にも報酬系神経回路があることから、歌声に感動するというのは、歌を歌うこと、歌を聴くことで、快感を得るからとも言える。
 

<主な取材先>
伊藤博之さん(クリプトン・フューチャー・メディア)
剣持秀紀さん(ヤマハ)
中野倫靖さん(産業技術総合研究所)
後藤真孝さん(産業技術総合研究所)
榊原健一さん(北海道医療大学)
仁科エミさん(メディア教育開発センター)
へスラー・ニールさん(理化学研究所)










10月18日(土)夜7時放送  [再] 10月26日(日)朝6時放送
動く原子をとらえた!
ミクロの世界、ナノの宇宙を見る

いまや最先端の顕微鏡は、ナノの世界を見ることが出来るようになった。ただ見るだけでなく、細胞や分子、原子の姿を動く映像で見られるというところまで技術は進んでいる。そこには私達の常識とはかけ離れた世界が存在していることがわかって来た。

ノーベル賞受賞の蛍光タンパク質を使って、科学論争に決着!
ニュースで大きな話題となった緑色蛍光タンパク質GFP。これを使い細胞内にあるゴルジ体の活動を観察した研究者が、科学者を長年二分していたある論争に決着をつけた。GFPと顕微鏡を使って撮影された数秒の映像が、細胞内の謎を解決したのだ。

分子1個が動く様子を世界で初めて撮影!
理科の授業で使われる分子模型。しかし実物の分子1個を見た人は、科学者を含めこれまで誰一人いなかった。ところが最近、ひとつの分子が動く様子を撮影することに成功した研究者がいる。撮影は、太平洋で砂粒を探すような途方もない作業だったという。

モノとモノが接触すると溶けあい、離すと納豆のように糸を引く?
机に触れたとき、手と板は原子レベルでどのようなことが起こっているのか?リアルタイムに撮影された原子が接触する映像から、私達の感覚とはまるで違う驚異の世界が見えてきた。

<主な取材先>
中野明彦さん(理化学研究所)
中村栄一さん(東京大学)
末永和知さん(産業技術総合研究所)
木塚徳志さん(筑波大学)
鈴木義一さん(国立科学博物館)
古屋一夫さん(物質・材料研究機構)
日本電子
多摩六都科学館
国立国会図書館











9月21日(日)夜7時放送  [再] 9月28日(日)朝6時放送
電脳空間未来都市
地理情報が現実を拡張する

デジタル化された都市の情報を、現実世界に重ね合わせて視覚化する技術の開発が進んでいる。場所に関連する様々な情報を“その場所”で得られるこの技術は、都市の風景をどのように変えるのか? 「地理情報システム」と「拡張現実感」の融合がもたらす研究の最前線に迫った。

『電脳コイル』が現実になる? 2つのキーワード
近未来を舞台にしたアニメ作品「電脳コイル」では、「電脳」と呼ばれるデジタル情報の世界と、現実世界とが混じり合った日常が描かれている。この世界観を支えているのは、GIS(地理情報システム)とAR(拡張現実感)という2つの技術である。

AR(拡張現実感)とは何か?
完全な別世界を作り、そこで完結するバーチャル・リアリティ(仮想現実感)と違い、オーギュメンテッド・リアリティ(拡張現実感)とは、現実のものとバーチャルなものとが相互作用をし、それを可視化した技術である。ARの助けによって、肉眼では見えない注釈的な情報などを、現実の風景に重ねて見ることができるのだ。

GIS(地理情報システム)とは何か?
GISとは、位置に関する空間情報をデータ化し、加工して視覚的に表示するシステムである。たとえば、デジタル化された地図のデータベースは、GISとして有効活用され、アメリカではGISの専門家が活躍している。現在広く利用されているGoogle Mapsなどは、日常に密着したGISのひとつと言える。

電脳メガネが開発されていた!
ARとGISを用いた、メガネ装着型のディスプレイが既に開発されている。モバイルEye-Trek(アイ・トレック)では、目線の50cm先に携帯電話と同じサイズのディスプレイが提示される。また、この装置に各種センサーを組むことで、ユーザーの場所や状態、雰囲気に合わせたリアルタイムの情報提示が実験されている。

情報端末としてのARと、空間情報インフラとしてのGIS
いま立っている目の前の空間を検索するような技術が、実用化の段階に入っている。GPSと電子コンパスを搭載した携帯電話のカメラ機能を使い、現実空間をクリックして情報を引き出す空間検索技術だ。また、GPSを使わない、無線LAN電波による位置検出の技術も確立されている。

GISとARが都市の風景を変える
GISが都市に溶け込み、ARが情報をリアルタイムに可視化することで、電脳空間と現実空間はリンクし、人々の活動の幅は広がっていく。個人が自分専用のデジタルマップを持つようになり、より都市を使いこなすようになる未来が到来しようとしている。

<主な取材先>
長谷川晶一さん(電気通信大学知能機械工学科准教授)
有川正俊さん(東京大学空間情報科学研究センター准教授)
河合敬一さん(Google)
龍田成示さん(オリンパス未来創造研究所)
山崎順一さん(NECマグナスコミュニケーションズ)












8月17日(日)夜7時放送  [再] 8月24日(日)朝6時放送
「きぼう」宇宙へ行く
動き始めた日本初の有人宇宙実験室

現在、上空およそ400kmの宇宙空間で着々と建設が進む国際宇宙ステーション。完成時の総重量450トン、大きさはサッカー場ほどにもなる巨大な構造物である。世界15カ国がこのプロジェクトに参加し、日本はその構成モジュールの一部として有人宇宙実験室「きぼう」を開発。今年3月と6月にスペースシャトルによる組み立てミッションが実施された。
番組では、土井隆雄、星出彰彦両宇宙飛行士による宇宙での組み立て映像から、国際宇宙ステーションの最新の姿を紹介。さらに、「きぼう」で実施される重力と遺伝子の関係を調べる実験、地球の微生物が宇宙へ飛び出していることを実証する調査、生命の起源を探る調査など興味深い計画の取材から、日本が初めて手にした有人宇宙施設の可能性に迫った。

<取材協力>
今川吉郎さん(JAXA/きぼう開発プロジェクトマネージャー)
中井真夫さん(JAXA/フライトディレクター)
清水順一郎さん(JAXA/宇宙環境利用センター参与)
浅島誠さん(東京大学特任教授)
丸幸弘さん(リバネス社・社長)
及川幸揮さん(JAXA/JEM開発プロジェクトチーム主幹開発員)
山岸明彦さん(東京薬科大学教授)
渋谷区五島プラネタリウム天文資料









7月18日(金)夜8時放送|[再] 7月27日(日)朝6時
テレビゲームのメディア宣言

テレビゲームは今、単なるエンターテインメント・マシンを超えた“メディア”として注目を集めている。番組では、クリエイターとユーザーが育ててきたテレビゲーム文化を探りながら、新たなメディアとしての実像に迫る。

ファミコン登場!〜テレビゲームの歴史〜
テレビゲームが世の中に誕生してから半世紀になる。インベーダーブーム、ゲームセンターの流行を経て、1983年にファミリーコンピューターが発売され、日本の家庭用テレビゲームの歴史は始まった。その後、様々なゲーム機が生まれ、たくさんの名作ゲームソフトが作られた。そして、あるゲーム機の登場によってテレビゲームのグラフィック表現は革命的進歩を遂げる。

現代のゲーム機は科学技術の結晶
任天堂のWii、SONYのPS3、マイクロソフトのXbox360。そのどれもに、最先端の科学技術が惜しげもなく利用されている。新しい技術が家庭の中に受け入れられていくきっかけを、テレビゲームはつくってきた。さらに「通信機能」や「インターネット」を使った多人数ゲームプレイが、コミュニケーションツールとしてのテレビゲームの役割を明確にしつつある。

テレビゲームの面白さとは?
規則性を見抜き、繰り返しトライすることで上達していく喜びを得ることがテレビゲームの本質である。テレビゲームは人類が知恵を獲得してきた技法と重なり合う構造を持っている。裏技の発見は、プログラムのバグにさえ意味を与えるという知的行為とも言える。現在はインターネットを介して、ユーザーがゲームをオンラインで楽しみ、さらにプレイ動画を公開するなど、自己表現としてのゲーム環境が整いつつある。

「エンターテイメント+α」なシリアスゲームなるもの
ゲームをエンターテイメントの目的だけでなく、社会に役立てようとする展開がある。たとえばテレビゲームを教育と結びつけることで、どのような効能があるのだろうか? 実際の利用例から、その可能性が明確に見えてくる。

<主な取材先>
東京大学大学院 馬場章教授
週刊ファミ通 加藤克明編集長
ゲームデザイナー 斎藤由多加さん
国際大学GLOCOM 井上明人さん
マイクロソフト Xboxマーケティング本部 井上正之さん










6月20日(金)夜8時放送 [再]6月29日(日)朝6時
迫り来る危機 新型インフルエンザがやってくる

いま、世界の様々な地域で鳥インフルエンザの発生が相次いでいる。日本では、2004年以降各地で発見が報告され、今年に入ってからも秋田県や北海道でH5N1型の鳥インフルエンザウイルスに感染した白鳥の死骸が見つかっている。
なぜ鳥インフルエンザは危険なのか? それは、鳥インフルエンザウイルスが変異を起こし、ヒトからヒトへ感染する“新型ウイルス”に変化する可能性があるからである。私たち人類には、新型インフルエンザウイルスに対する免疫がないため、感染の爆発的な拡大を抑えることができない。世界のどこかで発生したH5N1型の新型ウイルスは、ほぼ1週間で世界的大流行に発展すると予想され、国連の試算では1億人以上の死者が出るという。専門家は、新型インフルエンザウイルスの誕生は、もはや時間の問題だと指摘する。
番組では、新型インフルエンザとは何かを詳しく解説しながら、過去に発生した新型インフルエンザの記録、首都圏での発生シミュレーション、対策の現状などをレポートする。

<取材協力>
岡田晴恵氏(国立感染症研究所)
田代眞人氏(国立感染症研究所/WHOインフルエンザ協力センター)
速水融氏(慶應義塾大学名誉教授)
大日康史氏(国立感染症研究所)
吉田道彦氏(品川区保健所)
工藤宏一郎氏(国立国際医療センター)
長谷川秀樹氏(国立感染症研究所)









5月18日(日)夜7時放送 [再]5月25日(日)朝6時
京町家にまなぶ、新生活スタイル

京都で今、第3次京町家ブームが起きている。その魅力は、住まい方をカスタマイズできる開放的な一室空間と、自然に人々がつながることで生まれる心地よいコミュニケーション。東京でも、京町家のコンセプトと響き合う建築プロジェクトが進んでいる。番組では現代に生きる京町家を訪ね、これからの新しいライフスタイルを模索した。

京町家の特徴と、ブームの不思議
「仕事場」と「住居」が共存できる構造が京町家の特徴である。この伝統工法による木造建築は汎用性が高く、江戸時代に全国各都市へ広まったが、ほとんどが空襲で焼失し、被害の少なかった京都がその姿を今に伝えている。老朽化が進み、夏暑く、冬寒い京町家がブームになっているのはなぜだろうか?

京町家の「見世」としてのスタイル
見世とは本来「商品を並べて売るところ」の意味だが、現代ではショップやアトリエ、ギャラリーにあたる場所となる。現代の京町家は、SOHOスペースやアートギャラリー、カフェなどに改修されて活用される場合も多い。

京町家の「エコ」のスタイル
伝統工法による自然素材しか使っていない町家は、部分的な改修の手入れもしやすく、それゆえに100年以上住まうことも可能だ。また、古い町家を、断熱性や耐震性に配慮した現代住居へ改築する会社も現れた。

京町家の「コミュニケーション」するスタイル
開放的な京町家には、人が集まりやすい構造がある。公共の場所が失われてる現在、開かれた場所の存在は大きい。コミュニケーションを活性化させる場所としての機能に注目し、食育の活動拠点としたり、ゲストハウスを始めようとしている人々が、豊かなビジョンを語る。

現代の東京や横浜に響く、京町家のスタイル
京町家のもつ多くの機能を現代に再構築するような取り組みが始まっている。東京では集合住宅の中にSHOPやSOHO、コモンスペースを設置するような、開放的で、つながりを重視した建築が完成を控え、横浜では公共の場としてのTOWN CAFEが人と人、人と町をつなぐ場所として自立しはじめている。プライバシーや便利さの追求と引き換えに、現代の都市生活者が失ってしまったものは何であったのか?

<取材協力>
東京大学大学院 難波和彦教授
株式会社チームネット代表取締役 甲斐徹郎さん
町家倶楽部事務局長 小針剛さん
株式会社イータウン代表取締役 斉藤保さん
京町家に住まう人たち










4月18日(金)夜8時放送|[再] 4月27日(日)朝6時
機械につながる脳と身体
医療テクノロジーの現場から

いま、機械を脳や身体につなぐ技術の開発が急速に進んでいる。今回は医療に大きな変革をもたらす最新テクノロジーをレポートする。

まるで手のように動く筋電義手
生まれつき障害をもつ美来ちゃん(7才)には右手がない。しかし、筋肉の信号を使って動く筋電義手を使えば、バイオリンを弾くことも、文字を書くことも可能だ。美来ちゃんは将来、義手を使ってピアノを弾きたいと考えている。そのような義手は出来るのだろうか?

念じるだけで動く車椅子
体を使わず脳波で制御する車椅子が開発されている。車椅子に乗っている人は曲がり角に来た時、右、左と考えているのではない。実は、「柔道」と「海辺」をイメージしているのだ。それは一体なぜか?

ALS患者のための意思伝達装置
体が動かず、声も出せない患者が、自らの意思を表すために使われる意思伝達装置「心語り」。脳の血流量の変化を利用して、YES、NOを判別する機械だ。夫が重度のALSを患い、この装置を使い始めた妻は、YES、NOだけでもコミュニケーションが出来る喜びを語る。

パーキンソン病の症状を劇的に改善する手術
体の震えやこわばりといった症状を持つパーキンソン病。この病気に対して、脳に直接電極を埋め込み電気刺激をして症状を抑える手術がある。脳深部刺激療法である。長年パーキンソン病に悩まされ続けた患者が、手術後には車を運転できるまでに回復した。脳深部刺激療法とは一体どのようなものか?

脳から体や心の動きを読む
脳に直接電極を挿入すると、ひとつひとつの神経細胞の活動を詳しく測定することが出来る。東京工業大学の小池さんは、一次運動野の神経細胞の活動だけを頼りに、腕がどのように動いているのかを正確に読み取るシステムをつくりあげた。脳の情報処理を解読するこうした研究は急速に発展し、感情や好みなど心を読むも現実味を帯びてきた。脳と身体をつなぐテクノロジーは、一体どこまで進んでいくのだろうか?

<取材協力>
東京大学 横井浩史准教授
電気通信大学 田中一男教授
日本大学 片山容一教授
東京工業大学 小池康晴准教授
日立製作所 小澤邦昭さん










2008年3月9日
「ケータイ世代」の誕生 大人が知らないモバイル文化

いまや最も身近なメディアとなった携帯電話。日本での契約台数は1億台を突破した。そして、こうした時代に登場したのが、「ケータイ世代」と呼ばれる若者たちである。ケータイ世代とは、いまの10代から20代前半までの若者で、子どもの頃から携帯電話を持つことが当たり前となった最初の世代。この世代は、大人の知らないところで、これまでに存在しなかったモバイル文化を築き、社会全体に大きな影響力を持ち始めている。番組では、若者における携帯メールのやりとり、携帯電話からしかアクセスできない人気サイト、携帯電話を使った新しいワークスタイルなど、ケータイ世代の流行とそのコミュニケーションの在り方を紹介しながら、若者にとってケータイとはどのような存在なのかを探っていく。




2008年2月24日
磁性流体アート〜児玉幸子・科学と芸術の出会い〜

生き物のように動きだす漆黒の液体。その正体は磁性流体アート。メディアアーティスト、児玉幸子の作品である。どんなに色鮮やかな3次元CGであっても、現実の素材がもつ強烈な質感には敵わないと感じた児玉は、磁性流体の独特な質感そのものをアートに昇華させた。磁性流体アートを介して、サイエンスの側面から興味をもった人はアートに出会い、アートの側面から興味をもった人はサイエンスに出会う。
過渡期にあるメディアアートのシーンにあって、科学と芸術という異分野をかろやかに結びつけてみせる磁性流体アートの魅力に迫り、世界が注目するデバイスアートの脈動を紹介する。




2008年2月10日
言語の壁を超えて 音声翻訳技術が世界を変える

言葉の壁をテクノロジーで克服しようという試みが実を結ぼうとしている。音声翻訳機の実用化である。機械翻訳の研究は、当初、与えられた文章の文法を解析し、翻訳を実行するプログラムの開発を目指していた。しかし、そのような方法では、複雑で多様な文章に対応できないことが明らかになり、「例文に基づく翻訳」への転換が起こったという。私たちが使用する言葉の用例を徹底的に収集し、それらにあらかじめ対訳をつけたデータベースをつくり、文法の解析ではなく、類似性の検索から翻訳文を導きだそうという方法である。番組では、すでに実用化されている音声認識と音声合成技術、そしてついに実用化へ踏み出した機械翻訳の最前線をレポートする。




2008年1月27日
シーラカンス大解剖 生きた化石の謎に迫る

生きた化石、シーラカンス。はるか3億8千万年前からほとんど変わらぬ姿で生き続けてきたこの魚には、生物進化の謎が秘められている。
恐竜とともに絶滅したと考えられていたシーラカンスは、1938年12月22日に初めて生きた状態で発見された。化石と同じその姿は、世界中の研究者を驚かせたという。昨年末、その発見の記念すべき日に、東京工業大学でシーラカンスの解剖が行われた。生きた化石に最先端科学のメスを入れ、脊椎動物の進化の秘密に新たな光を当てる研究が始まったのだ。番組では、この解剖に完全密着してシーラカンスの体の不思議を紹介。他の魚類とはまったく異なる進化の道筋を歩んできた「生きた化石」の秘密に迫る。




2008年1月13日
利根川のサケ 〜還ってきた命の営み〜

群馬県水上町に端を発し、千葉県銚子市で太平洋に注ぐ利根川。首都圏近郊を流れるこの川に、いま、何千匹ものサケが遡上している。もともと利根川は、太平洋側におけるサケが遡上する南限の川として、江戸時代からサケ漁が盛んで、昭和18年には19トンの漁獲が記録されているほど、サケの魚影の濃い川だった。しかし、昭和30年代に入り、水質汚染などの影響により、利根川からサケの姿は消えていった。利根川を、もう一度サケが命を育む川にしたい―。昭和56年以降、水質が改善した利根川では、サケの稚魚放流が盛んに行われるようになり、平成19年には4700匹を超えるサケが遡上するまでになった。番組では、サケの命を育む川を取り戻したいと願う人々の懸命な活動を紹介。サケの遡上や産卵シーンなどカメラにおさめ、その命の営みに迫った。

過去の放送タイトル|2008年|2007年-2006年2005年-1998年

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