議論の掟 議論が苦手な日本人のために

白川 司 著
定 価:
本体1300円+税
判 型:
四六判
ページ数:
208ページ
ISBN:
9784898314838
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いま求められる国際化に勝つ日本語力!
成功する議論8の法則:
・会議に「偉い人」を入れない
・知識のない第三者を参加させる
・「単に集まる場」を作る
・明確な目標を設定する
・言葉を簡素化する
・意見をカード化して「勝ち抜き方式」で決める
・自分で自分の意見を批判する
・議論は「ゲーム」と考える

仕事ができないベテラン社員が会議で大きな発言力を持っている場合に、「なぜこの人は、能力に見合わない発言力があるのだろう」と疑問に思った経験がある人は多いはずだ。では、それがなぜなのかと聞かれても、すぐに答えられないのではないだろうか。
その原因は日本語のしくみにある。
英語は「わからせる」、日本語は「察してもらう」

著者プロフィール

ジャーナリスト・翻訳家。東京大学大学院博士課程満期中退。海外メディア、海外論文、学会などのオープンソース情報を駆使して、国際政治、言語学、心理学など幅広いフィールドで活動。月刊『WiLL』(ワック刊)で国際情勢を分析したエッセイ「Non-Fake News」を連載し、好評を博している。『インターネットテレビWiLL増刊号』編集長として、ネットでも活躍中。

目次

はじめに

 

1章 議論が苦手な日本人——年功序列と発言権

社歴の長い人の発言が優先される

〝協調〟を重視する日本語教育

反論は「上から下」にのみ許される

debate」と「議論」

ディベートは日本人に向かない

日本語の〝極意〟は語尾を濁すこと

ゴーン氏と日本人の「調和」の精神

日本人とアメリカ人の自己紹介の違い

「経験」はスキルの一つにすぎない

「根回し」が不可欠な「日本型議論」

第2章 「寒いね」が通じない——日本語と英語の断絶

日本語には疑問形がない

「そうなんですね」への違和感

「寒いね」と「寒いよ」

「知らないね」の暴力性

情報の「なわ張り」

議論の場における「ね」と「よ」

英語による議論と日本語の議論

「それはペンか?」と「それはペンか!」

日本語の質問は「判断の委託」

質問をはさむと発言権を失う?

「大リーグ」と「プロ野球」の違い

「気遣い」としての質問

立場を曖昧にする終助詞

質問することは「反対」の意思表明

「日本型議論」のかたち

第3章 「わからせる」と「察してもらう」——欧米型議論と日本型議論

日本語に主語がない理由

バイト先のマニュアルで敬語を学ぶ

消えゆく尊敬語と謙譲語

「ご意見」と「愚見」のせめぎ合い

「それ」と〝it

英語における「情報のなわ張り」

日本語における「情報のなわ張り」

「わたくしは賛成だぜ」

反論されると腹が立つ理由

日本語の〝省略〟の妙

終助詞と共有情報

論理が英語圏のルール

英語は「わからせる」

日本語は「察してもらう」

日本人がうなずくもう一つの理由

「決める」と「まとめる」

第4章 なぜ会議が機能しないのか——日本型議論の功罪

「空気」が会議を支配する

オリンパスはなぜ「飛ばし」を止められなかったか

結論は会議の前に出ている

オープンな議論を主張した民主党政権の失敗

修学旅行はどこに行く?

伝統的な日本型リーダーシップの条件

ウチとソトの力学

「パワーハラスメント」と「パワハラ」の違い

会議から敬語を排除できるか

「説教の場」と化す会議

ポスト「年功序列」社会に向けて

5章 会議を変える——新しい議論のかたち

議論の障害となる「文法的要因」と「構造的要因」

会議に「偉い人」を入れない

知識のない第三者を参加させる

「単に集まる場」を作る

英語を会議の公用語にする利点

稚拙な英語でかまわない

明確な目標を設定する

言葉を簡素化する

意見をカード化して「勝ち抜き方式」で決める

自分で自分の意見を批判する

議論は「ゲーム」である

 

おわりに——国際化に立ち向かう「言葉の力」

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