自然災害、疫病、戦争。不安定かつ不条理な時代になり、絶えまなく世界が不安につつまれるなか、すべての人々に276文字の智慧を届けたい。そのために私は歌う、「般若心経」を。
玄奘三蔵法師がインドから持ち帰った「般若心経」。大乗仏教の真髄を説くたった276文字の経典。日本では1400年間にわたって歴代天皇や武家、公家、学者から一般庶民の間で慕われ、さまざまな災害や戦争で傷んだ人々のココロを癒してきたのです。
その真言(マントラ)は、「ダイエットしたい」「あいつの成功が妬ましい」「人前で緊張しちゃう」「うまく恋愛ができない」などあらゆる〝個人的〟な悩みや不安、執着を解き放つ、〝最強のマインドフルネス・ツール〞です。 スティーブ・ジョブスやジョン・レノンをはじめ、世界の著名人が般若心経の魅力に気づき、ビジネスや自己啓発、そして作品世界に反映しストレスフリーに活用してきました。ジョン・レノンの名曲「イマジン」こそ般若心経にインスパイアされた作品だったのです。
なぜ世界の著名人は般若心経の魅力にとりつかれたのか。
そして私はなぜ般若心経を歌い続けるのか。
「私は無宗教ですが、初めて般若心経の歌を聴き、泣きました」
「コーラスがきれいすぎる。言霊って本当にあるんだね」
「この般若心経を聞いていると、脳が悦ぶ感覚を覚える」(視聴者からの投稿)
静かな京都の古刹で僧侶が「般若心経」を歌う。YouTube等の動画再生数は7500万回を突破、SNSでは「般若心経ブーム」の立役者となっています。若き僧の名は薬師寺寛邦。デビュー作の本書では、般若心経との出合いやリスペクトの思いを余すことなく語りつくし、令和時代に即した〝新訳・般若心経〟を提案します。
「般若心経」は疲れた心のリセットボタン。
さあ、あなたも276文字からなる魔法の呪文を歌ってみよう!
そこには新たな世界が広がり、怒り、恨み、妬みというネガティブな感情が消え、バージョンアップされた〝あなた〟と出会えるはずだからーー
生きて行こう 生きて行こう!
みんな繋がり合って生きて行こう!
幸せはいつでもすぐそこにあるから。
(羯諦羯諦(ぎゃーていぎゃーてい) 波羅羯諦(はーらーぎゃーてい) 波羅僧羯諦(はらそうぎゃーてい) 菩提薩婆訶(ぼーじーそわかー)―薬師時寛邦訳「般若心経」より抜粋)
著者プロフィール
1979年生まれ。僧侶であり音楽家。
愛媛県今治市臨済宗妙心寺派海禅寺の副住職。〝僧侶ボーカルプロジェクト〟「薬師寺寛邦 キッサコ」として、仏教の教えを懐かしいポップスのメロディーとハーモニーで伝えている。仏教と音楽を掛け合わせ、般若心経に声を重ねてアレンジしたアルバムを多数リリース。YouTube等関連動画の総再生数は世界で累計7500万回再生を超えている。アジアでの大反響を受け、2018、2019年に中国・香港・台湾を巡るアジアツアーを開催! 約2年間で1万人以上の動員を記録!日本からアジア、そして世界へと、縁を繋ぎ、仏教を音に乗せ、日々伝え続ける。
目次
はじめに
第1部 なぜ私は般若心経を歌うのか
第1章 ミュージシャンか僧侶か 二者択一の悩み
第2章 葛藤と挫折を超えて二者両立へ
第2部 般若心経に魅せられて
第3章 SNS時代に進化した 1400年の歴史と知恵
第4章 令和のいま最強真言(マントラ)を読み解く
第5章 脳が悦ぶ 般若心経は作詞・作曲のお手本だった!
第6章 座禅と瞑想を堪能 修行時代の感動体験
第7章 「イマジン」は般若心経だった
おわりに
参考文献