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月刊『WiLL』読者の皆様へ(3/28)


お知らせ

読者の皆様より弊社取締役花田紀凱氏の解任の理由が十全には理解できないとのご質問を多数いただきました。個人情報への配慮、ならびに社内情報ということもありあえて公開することを控えておりましたが、結果的に説明不足になりましたことを反省致しております。お騒がせしたことをお詫びしつつ、改めて社としてご説明いたします。

はじめに、株主総会議事録から花田氏の取締役解任に関する部分を引用します。

「花田紀凱氏は当社の承認なくして、当社が発行する月刊誌『WiLL』につき、当社所属の編集部員全員を株式会社飛鳥新社に移籍させ、自らも編集長として同社に移籍し、”New WiLL” なる名称で平成28年4月以降『WiLL』に類似する月刊誌を株式会社飛鳥新社において発行させようと企て、当社の取締役在任中に人材の勧誘その他の準備作業を行っている。かかる行為は、明らかに取締役の競業避止義務並びに善管注意義務及び忠実義務に違反する行為である。

よって、同人を取締役から解任すべく議場に諮ったところ、満場一致をもって賛成可決されました。」

以上は、直近の花田氏の行動とその責任を問うものです。

次に花田氏がこうした行動に出た背景につきご説明いたします。一言でいえば会社の経営方針に従わないこと。業務命令違反です。

一、まず、際限ない増ページについて。『WiLL』は特別号を除いて256ページが適正頁ですが(最初は240ページ)その後、増ページが常態化しピーク時には334ページに膨らみました。およそ100ページ増です。当然印刷費、用紙代はもとより、原稿料等も嵩み雑誌の収益を圧迫したのです。金額にすると年間約三千万円以上の損失になりました。
編集の内容でみれば、本来の『WiLL』にそぐわないエンターテイメント系の連載が増えつづけました。
社としては経営上の問題として、二年前より適正ページに戻すように再三申し入れたのですが、言葉をにごすばかりで聞き入れられませんでした。昨年やっと減頁に踏みきったのですが、わずか24ページにとどまりました。

一、編集経費について。年間、千五、六百万円をほぼ花田氏が一人で費消していたので、削減を申し入れました。しかしながらこれもまた聞き入れられませんでした。媒体の性質にもよりますし、花田氏は役員でもあるのでプラスアルファ分をみてもその二分の一が小社の適正範囲と考えます。

一、昨年は『WiLL』創刊十周年ということで「評論新人賞」なるものを設けました。本来なら社業として執り行う性質のものにもかかわらず編集部のみで実行、受賞式の日程などにつき他の部署のみならず社長にも綿密な連絡をとらぬままでした。本来、この種の「賞」は出版社にとりましては社を挙げて展開するイベントであります。独断専行、私物化と言われても仕方がないでしょう。

一、他業と本業とのバランスを欠く。花田氏はWeb番組のレギュラー番組二本、紙媒体のレギュラー連載数本を持ち社外で活躍していますが、ここにきて社でその姿を見かける機会が減り簡単な打ち合わせにも不便を感じさせるほどでした。まったく報告のない週もありました。社長ならずとも本来の社業は大丈夫かと思わせるほどでした。

以上が解任にいたる経緯です。

巷間、ネットでは夫婦の別れ話にみられるような罵りやつぶやきが漏れ聞こえてきますが、係争事は何事にせよ双方ともに甲論乙駁、お互い言い出せば枝葉は茂り、末節は肥大化するばかりです。どうぞ当方の理のあるところをお汲みとりいただきたく宜しくお願い申し上げます。


→「月刊『WiLL』読者の皆様へ(3/23)

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