ガリレオX

[アンコール]米と日本人 科学で見る稲の過去、危機にある棚田の今

BSフジ
本放送:09月05日(日)昼13:30~14:00

 日本書紀にこの国の呼び名がこのように記されている。「豊葦原の瑞穂の国(とよあしはらのみずほのくに)」“神意によって米が豊かに実り繁栄する国”という意味である。縄文時代の終わりに日本に伝来したと言われている稲作は安定した大規模な共同体を形成するきっかけとなり、やがて日本という国が形作られていった。またお米は日本人の主食としてだけでなく祭や神事など、日本文化に深く密接な結びつきがある。まさに日本は今以て「瑞穂の国」なのだ。  しかしなぜ、日本人は米を主食としているのか?また米を食べることによって日本人にどのような変化が起こってきたのだろうか?稲作のルーツや古代米から解き明かされる弥生時代の日本の姿、さらに危機に瀕する棚田の現状まで、脈々と続いてきた私たちとコメの歴史と今を探ることで、日本人にとっての"米”とは何かを浮き彫りにする。

“米”が日本に至る道
 私たちの主食であり、日本人の根幹ともいえる米。米は私たちの暮らしに深く根付いているが、その正体については意外と知られていない。米はいつ、どのようにしてこの国に伝わったのか?稲作の伝来は日本人をどう変えたのだろうか?

稲作はどこから始まったのか?
 稲作の起源は、中国の雲南省からインドのアッサム地方にかけての地域と、世界最古の稲作の遺跡が存在する中国の長江下流域の2候補で長い間論争が続いてきた。しかし、近年の日本の研究でそのどちらでもない場所が原点として急浮上してきた。

コメから日本の過去を探る
 日本最初の歴史書である日本書紀にもその記述があり、かつてはお金としても流通していた米は、日本人の歴史の背景に常に存在してきた。そうした米を通して日本の昔の姿を探る研究が、いま超巨大施設で始まった。発掘された古代の米の中をX線で観察することで弥生時代の日本の姿を映し出す実験に密着取材した。

日本全国に広がる稲作の危機
 いま全国の農業者にある問題が広がっている。それは高齢化と後継者不足だ。この問題によって各地に耕作放棄地が発生しており、この国の歴史の発祥地とも言われる場所では日本の原風景が失われつつあった。この問題の解決策はあるのだろうか?


主な取材先
稲村 達也さん(奈良県立橿原考古学研究所)
倉田 のりさん(国立遺伝学研究所)
星野 真人さん(大型放射光施設SPring-8)
中川 貴雄さん(明日香村役場)
濱田 将司さん(NPO法人 明日香の未来を創る会)

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