ガリレオX

<アンコール>ZEBへの挑戦 建物はどこまで進化するのか?

BSフジ
本放送:06月07日(日)昼11:30~12:00

使うエネルギーを大幅に削減し、同時にエネルギーを創り出すことでエネルギー収支「ゼロ」を目指す建物「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」が、今、世界的に注目されている。特に日本では、東日本大震災における電力需給の逼迫などの経験からその必要性が強く認識され、ZEB化を目指した様々な取り組みが推進されている。 現在、そうした取り組みはどこまで進んでいるのだろうか?またZEBの実現に向けてどのような技術が開発されているのだろうか?現代社会の必須技術ともいえる“ZEB”化テクノロジーにスポットを当て、その先進事例や研究開発の現場を取材し、来るべきZEB化社会の行方を探っていく。

「ZEB」とはいったい何のか?
今、建築の分野で「ZEB」と呼ばれる取り組みが注目されている。「ZEB」とは「ゼロ・エネルギー・ビル」、つまり、使うエネルギーを減らすと同時に太陽光発電などによりエネルギーを創り出すことで、結果としてエネルギー収支ゼロを目指す建物のことだ。そしてこのZEBは、従来型の省エネビルとは異なり、使う人の快適性をも重要視した概念なのだと言う。

動き出したプロジェクト
省エネとともに快適性や働きやすさをも高めていく。今、そんなZEBを目指したプロジェクトが動き始めた。総合設備会社のダイダンが四国支店として建設を進めている建物がそれだ。この会社は、ZEBという概念が提唱され始めた当初から、ZEBの実現を目指した取り組みを進めてきたと言う。

ZEBの技術
ZEBの実現には新たな発想の技術が必要だ。例えば、1年を通して温度変化の少ない地中の熱を利用した省エネ技術などだ。ダイダンはそうした技術の開発に取り組み、2016年にはZEBを目指した初めての建物「エネフィス九州」を建設し、エネルギー消費量の大幅な削減に成功。その成果を生かし、今回の四国支店の建設に取り組んだのだと言う。このプロジェクトで目指すのは、完全ZEBの達成だ。その言葉の意味することとは?

完全ZEBを達成
2019年4月、香川県高松市に四国支店「エネフィス四国」が完成した。この建物では、ZEB化技術のさらなる深化と快適性の一層の向上を図るとともに、建設コストなどの経済性をも考慮したと言う。その結果、省エネと創エネを合わせてエネルギー消費量101%の削減を達成。ついに「完全ZEB」が実現した。

これからのZEB
地球温暖化対策として、またエネルギー自給率の低い日本が発展を続けていくために、建物のエネルギー消費量を減らすZEBの実現は、これからの必須の取り組みになると言う。では、今後の残された課題とは何なのか?そしてそうした課題が克服され、ZEBが広く普及する未来とはどのような世界なのか?


主な取材先
田辺 新一さん (早稲田大学)
野部 達夫さん (工学院大学)
ダイダン株式会社

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