ガリレオX

セラミックスが拓く未来 革新的な蓄電デバイスが実現するIoT社会

BSフジ
本放送:10月11日(日)昼11:30~12:00
再放送:10月18日(日)昼11:30~12:00

 セラミックスは、古くから陶磁器として親しまれ、現代では最先端のエレクトロニクスの分野で欠かすことのできない素材となっている。そんなセラミックスの最新研究で注目を集めるのが、セラミックスを用いた充電式電池の開発だ。小型でありながら大容量で高耐熱性を実現した画期的な電池だという。今、世の中をより便利にする仕組みとして、社会のあらゆる「モノ」がインターネットでつながるIoTと呼ばれる技術が急速に進展しているが、そんなIoTが社会に普及するために課題となるのが電源の問題だ。現在、IoTに適した電源供給技術として、「ワイヤレス給電」と、「エネルギーハーベスティング」という二つの技術の開発研究が進められており、それらの技術にこの充電式電池が応用できるのではと期待されている。 セラミックスの特性を活かした充電式電池開発にスポットを当て、今後の実現が期待されるIoT社会への応用の可能性を探っていく。

人々に親しまれる“セラミックス”
 5000年以上も前から姿形を変えない「縄文土器」や「やきもの」といわれる陶磁器はすべて“セラミックス”と呼ばれる。セラミックスの特徴は丈夫で長持ちする点だ。熱に強く燃えず、有機物のように腐ったり、金属のように錆びたりしない。そのため、現在では最先端技術にも不可欠な材料となっている。

セラミックスを利用した電池開発
 そんなセラミックスを、充電式電池に活用する研究が産業技術総合研究所で進められていた。現在、最も使われている充電式電池は「リチウムイオン電池」だが、電解質が液体の為、発火する問題があった。その問題をセラミックスを利用することで解決できるという。

革新的な小型充電式電池の誕生
 別の発想でセラミックスの特性を利用した充電式電池が製品化されていた。その電池の特徴は正極側の電極に独自開発したセラミックスの電極板を使用した点だ。この電極板を利用することによって、超小型ながら大容量で高出力という特徴を実現させたという。そして、それを実現させたのは、セラミックスの結晶の向きが揃うように焼き固める技術だった。

IoT社会の課題
 今後、実現が期待されているIoT社会。IoTとは、身の回りのモノがインターネットに繋がる仕組みのことをいう。このIoTで重要な役割をするのが「センサー」である。センサーは、情報を無線で送信する電力が必要なため、小型で大容量の充電式電池が求められていた。

充電式電池と電力供給技術
 IoT社会に向けた最適な電源を生み出すため、充電式電池と新たな電力供給技術を組み合わせる研究が進められている。新しい電力供給技術として注目される技術の1つは、電波を受信して行う「ワイヤレス電力伝送技術」。もう1つの技術が身の回りで見過ごされている光や振動などの微弱なエネルギーを電力に変える「エナジーハーベスティング技術」である。それらと充電式電池によって、どのような電源がもたらされるのだろうか。
 今後、IoT社会に求められる未来の電力供給技術に迫る。


主な取材先
十日町市博物館
栗田美術館
産業技術総合研究所 明渡 純さん
産業技術総合研究所 片岡 邦光さん
産業技術総合研究所 秋本 順二さん
日本ガイシ 小泉 貴昭さん
山形大学 時任 静士さん
京都大学 篠原 真毅さん
Space Power Technologies 古川 実さん
パナソニック 田中 勇気さん
リコー 田中 哲也さん
リコー 岸 和人さん

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