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【アンコール】国産量子コンピュータ初号機 始動 量子を利用する時代の幕開け

BSフジ
本放送:11月05日(日)朝08:28~08:58

2023年3月、理化学研究所の主導で開発された『国産超伝導量子コンピュータ初号機』が公開された。このコンピュータは“従来のコンピュータ”と“量子力学”を融合させ、超伝導の技術によって駆動する、まったく新しい概念のコンピュータだという。この量子コンピュータはインターネットを介して外部の共同研究者がアクセスすることが可能であり、これまでにない新たな材料の開発や、機械学習などでの活躍が期待されている。この量子コンピュータは従来のコンピュータと一体何がどう違うのか? そして“量子”とは一体どのようなものなのか?目に見えないミクロな世界を司る“量子力学”がもたらす未来を探る。

“量子”とは何なのか
量子とは、ある特定のものを指す言葉ではない。量子とは、“量子的”な性質をもち、“量子的”に振る舞うモノであり、“量子的”なモノはどんなものでも“量子”なのだ。具体的には電子や光子は量子としての特徴がよく現れる代表的なものだ。2つの隙間を通過した光が互いに干渉を起こすという「二重スリット」の実験は、量子の特性である『粒であり波である』という不思議な性質をよく表している。

光合成には“量子”がなくてはならない?
 この量子はこの世界に満ち溢れており、私たちのこのカラダもまた量子で構築されていると言っても過言ではない。では、この量子は生命の営みにも影響を及ぼしているのだろうか?実は植物が養分を作り出す光合成は、この量子の不思議な性質が極めて重要な役割を果たしていると考えられている。光合成の仕組みに量子の性質がどう関わっているのだろうか?

国産超伝導量子コンピュータ初号機 始動
 世界中で開発競争が進む量子コンピュータ。その国産初号機が理化学研究所の主導によって開発された。この量子コンピュータは“超伝導”の技術によって、内部の “量子ビット”を量子状態にして計算に用いているのだという。

“量子”で計算
 『量子ビットで計算をする』とはどういうことなのだろうか? 『0か1』をはっきり区別する“古典ビット“とは異なり、“量子ビット”は『0でもあり1でもある』というあやふやな性質を持っているのだという。そんなどっちつかずな性質こそが、この量子コンピュータの核心であり、これまでにない計算速度を実現しうるのだそうだ。
 量子の性質を利用することで超高速計算の実現を目指す量子コンピュータ。国産初号機の始動で、日本の“量子時代”が幕を開ける。


主な取材先
野口 篤史さん (理化学研究所)
阿部 英介さん (理化学研究所)
石崎 章仁さん (分子科学研究所)
根来 誠さん (大阪大学)

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