ガリレオX

サイボーグ昆虫 ~生物と機械を融合させる驚異の技術~

BSフジ
本放送:11月13日(日)昼11:30~12:00
再放送:11月20日(日)昼11:30~12:00

生物と機械の結合「サイボーグ」。その言葉からイメージされるのは、漫画やSF映画に登場する人造人間というのが一般的だが、今、昆虫と機械を結合させた「サイボーグ昆虫」の実用化が近づいている。  その1つ、電子デバイスを装着したマダガスカルゴキブリは、無線通信を可能にし、災害現場での活躍が期待されていると言う。一方で、生きたカイコガの触覚とドローンを融合し、匂い探索ロボットとして利用する研究も進んでいる。そうした研究から見えてくるのは、昆虫×機械が織りなす新たな可能性だ。驚くべきサイボーグ昆虫のこれまでにないバイオハイブリット技術と、その実現に向けた挑戦に迫る。

昆虫×機械 サイボーグ昆虫の始まり
 生きた昆虫と機械の融合「サイボーグ昆虫」。そんな夢のような構想は1990年代後半に絵本の中で既に描かれていた。著者である東京大学の神崎教授はサイボーグ昆虫の第一人者だ。
人類よりはるか昔から生息している昆虫。神崎さんは昆虫が持つ優れた能力を、学ぶためにサイボーグ昆虫の研究開発を始めたと言う。そしてカイコガの匂いを探す能力がサイボーグ昆虫を開発することで解き明かされていった。

サイボーグ昆虫開発で得られた知見で「匂いを探す」
神崎さんは今、サイボーグ昆虫開発で得られた知見を応用する研究を進めていた。見せてくれたのは、カイコガの触覚とドローンを組み合わせたハイブリッド・ドローン。自立的に飛行し、匂いの発生源を探索するロボットだ。
 神崎さんはドローン以外でも様々な匂いを探索する技術を開発している。社会の問題を解決するために開発が進む新たな匂い探索技術とは?

人間の操縦で動く!サイボーグカナブン
 一方で人間がコントローラーによって操縦することで、飛行や歩行を制御できるサイボーグ昆虫も既に実現していた。昆虫の制御を可能にしたのはシンガポールの南洋理工大学で研究を続ける佐藤さんだ。佐藤さんは災害時の人命救助を目的としてサイボーグ昆虫開発を続けてきたという。
 ではどのように昆虫を制御するのか?佐藤さんが見せてくれたのは、昆虫に搭載するためのマイクロチップ。これをオオツノカナブンというカブトムシの仲間に搭載することで、動きを制御できるサイボーグ昆虫が実現した。ラジコンのように飛行し、左右への旋回を制御できる驚きのサイボーグ昆虫とは?

最新のレスキューサイボーグ昆虫による人命救助とは?
 2022年、佐藤さんと日本の研究機関が協力することで最新のレスキューサイボーグ昆虫が開発された。元となった昆虫はあの皆の嫌われ者「ゴキブリ」の仲間、マダガスカルゴキブリだ。この背中に理化学研究所が開発した最新の超薄型太陽電池が搭載され、これまでにない新たな機能が追加されたという。
災害現場での救助活動を目指すレスキューサイボーグ昆虫は、一体どのようにレスキューミッションをこなすのか?レスキューを行う新たなサイボーグ昆虫の実用化に向けた取り組みに迫る。


主な取材先
神崎 亮平さん (東京大学 先端科学技術研究センター 教授)
佐藤 裕崇さん (シンガポール南洋理工大学 教授)
福田 憲二郎さん (理化学研究所 専任研究員)

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