ガリレオX

大量絶滅時代のバイオサイエンス 絶滅危惧種の動物をどう守るか?

BSフジ
本放送:11月22日(日)昼11:30~12:00
再放送:11月29日(日)昼11:30~12:00

 多種多様な生物が暮らす地球。今そんな地球に、異変が起きている。なんと現在1年におよそ4万種近くもの生物が地球上から姿を消していると言われているのだ。現在進行中のこの大絶滅に対して、生命科学の分野では『冷凍動物園』と呼ばれる取り組みが、工学の分野では『動物をチップの上で再現』する研究が進められているという。その内容とは一体どのようなものなのだろうか。  種の保存に始まり、医療・創薬にまで広がる最先端の研究現場を取材した。

襲来する『6回目の大絶滅』の危機
私たちの暮らすこの豊かな地球は、これまで5回の大量絶滅を経験している。隕石の衝突や火山活動など、かつての大量絶滅は自然の脅威によって引き起こされてきた。がしかし、今その原因となっているのは『人間』だ。そしてこの大絶滅によって淘汰されるのも、人間なのだという。

生きたまま未来へつなぐ『冷凍動物園』
絶滅危惧種の保護においては、もちろん生きたまま元の生息地で保全するのが理想的ではあるが、最悪の場合(=絶滅)を想定した手段も考慮しておく必要がある。いま日本各地で絶滅危惧動物の細胞を冷凍保存する冷凍動物園の取り組みが広がっている。DNAの情報を記録するのでは保持できない『生きた情報』がそこには残されていた。

絶滅危惧種の配偶子を冷凍保存?
冷凍動物園で保存されているのは体細胞だけではない。横浜市繁殖センターには精子や卵子といった配偶子も冷凍保存されている。この配偶子は将来へ情報を残すことのみならず、牛や鶏などの家畜動物で一般化している人工授精を将来的な技術進化によって絶滅危惧種でも行えるようになることを想定していた。

生き物をチップの上で再現⁈
生命科学や創薬の分野で欠かすことのできない動物実験。その動物の代わりとなる技術の開発が進んでいる。京都大学アイセムスで開発されたボディ・オン・チップは、いわば『生物の機能を模倣』したチップだ。体内の器官をiPS細胞で作り出し、血管を模した管で繋ぐことで物質を循環させるこのチップを用いれば、創薬の分野でも複雑な副作用を調べることができ、動物園で飼育されている希少な絶滅危惧種の病気の原因をも解き明かすことができるのだという。
地球に起きた異変と、その克服に向けた技術を創り出す研究者たちの挑戦に迫る。


主な取材先
京都大学 亀井 謙一郎さん
よこはま動物園ズーラシア 村田 浩一さん
横浜市繁殖センター 尾形 光昭さん
国立環境研究所 大沼 学さん

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