欧州最大級!フィンランドの新型原子炉
フィンランドの首都から西へ約240kmに位置する小さな街エウラヨキ。この街にの近くにあるオルキルオト原子力発電所では、2023年4月に約40年ぶりに新たな原発が稼働を開始したのだという。
「加圧水型原子炉」と呼ばれる新型の原子炉を備えたこの原発には、安全対策のために数々の機能が備えられているというが、一体どのようなものなのだろうか。フィンランドの電力を担う、欧州最大級の新型原発の全貌に迫る。
原子力と国民の向き合い方
フィンランドで新型原子炉が稼働する、ということを国民はどのように考えているのか?
実は世論調査によると、フィンランドでは現在、原子力の受け入れについて賛成が68%、反対が6%という結果が出ていた。
フィンランドが原子力受け入れの体制が整っている背景には、規制機関である放射線・原子力安全センターの存在があった。この機関では、一体どのような取り組みがされているのだろうか。原発稼働の裏側には、安全を保障する徹底的な取り組みがあった。
使用済み燃料の処分施設「オンカロ」
原子力発電所で発電のために使われた後の、高い放射能を持った使用済み燃料。それをどのように処分するのかは、原子力を運用する上での課題となっている。
フィンランドでは、今、この使用済み燃料を処分する「オンカロ」と呼ばれる施設の建設が大詰めを迎えていた。この施設は地下400メートルを超える場所に掘られたトンネルに使用済み燃料を埋めるのだという。完成すれば世界初となる使用済み燃料処分施設オンカロとは一体どのようなものなのだろうか?
フランスの核燃料サイクル
原発からでた使用済み燃料は再処理という形でリサイクルをすることが可能だ。
フランス、首都パリから西に約300kmに位置するシェルブールに。そこからさらに約25km、コタンタン半島の突端にあるラ・アーグ再処理工場。ここでは原発で発生した使用済み燃料を、再処理して再度燃料として利用し、廃棄物を地下に処分する「核燃料サイクル」と呼ばれる取り組みが進んでいた。この取り組みから見えてきたフランスの原子力との向き合い方とは。
主な取材先
フィンランド雇用経済省
TVO社
放射線・原子力安全センター(STUK)
ポシバ社
フランス原子力学会(SFEN)
オラノ社
ビュール地下研究所