ネコとヒトの出会い
人類がネコと出会ったのはおよそ1万年前のメソポタミアと考えられている。この出会いのきっかけは、農耕によって蓄えられた穀物を狙うネズミを、ネコの祖先が狙ったのが始まりだ。そして、現在に至るまでネコが大きくその姿形を祖先から変えていないのも、「ネズミハンター」であり続けてくれることを私たちが願ったからだという。
ネコとヒトが共存する島
熊本県上天草市の湯島は、たくさんのネコが暮らしている “猫島”のひとつだ。観光資源としての役割も果たしているこの島のネコたちの健康管理を担当しているのが、地域おこし協力隊の林 愛子さんだ。林さんは2019年にこの島に来て以来、島のネコたちの健康管理に尽力してきたという。そして、この湯島のネコたちのQOL向上に向け、東海大学の“ねこだんご”というグループも、林さんをサポートする形で活動を繰り広げていた。ネコたちとヒトが、共に幸せに暮らしていくための取り組みを取材した。
ネコの心の中
ネコの魅力の一つに、そのミステリアスなその出立ちを挙げる人も多いことだろう。実は、このネコの心の中を覗く研究は、これまでも数多の研究者たちが試みてきたものの、なかなか身が結ばれることのなかった研究のひとつなのだ。なぜなら、“借りてきたネコ”という言葉もあるとおり、ネコは実験室に連れてきてしまうと、その本来の力を発揮することはできないからだ。そしていま、そんなネコの心の中をその行動から読み取ろうという研究が日本で進められている。“ネコは飼い主の声を聞いてその顔を心の中で思い出しているのか?”、“ネコは飼い主がどこにいるのかを心の中で把握しているのか?”。ネコの飼い主が経験上では知っていた、その “認知能力”が、科学的に認められ始めている。
主な取材先
山根 明弘さん (西南学院大学)
東海大学 ねこだんご
高木 佐保さん (麻布大学)
(出演順)