ガリレオX

♂&♀はミステリー ~”性決定”の不思議な世界~

BSフジ
本放送:10月11日(日)昼11:30~12:00
再放送:10月18日(日)昼11:30~12:00

男性と女性。私たちが知る生物の多くは、オスとメスという「性」を持っている。この「性」は生物が存続するために重要な役割を担っているが、実は、まだ多くの謎を秘めているという。そもそも、オスとメスはどのようにして決まるのか?一部の生物に見られる「性転換」の現象とはどういうものか?また、それはどのようなメカニズムで起きるのか?近年注目されている「男性消滅の危機」とは何か?今、そうした謎の解明に向けて様々な研究が進められている。そんな研究の一端を取材し、オスとメスを巡るミステリーの世界に迫る。

男性絶滅の危機!?人間の性決定とY染色体の異変
「この世界からいずれ男性はいなくなってしまう!?」まるでSF映画で聞くような言葉だが、実はこの予想が現実のものになるのではないかと囁かれている。遠い未来、このままでは男性はこの世から絶滅してしまうかも知れないというのだ。一体どういうことなのだろうか?
その謎には”人間は基本的に女性になろうとする”という性決定の仕組みと、XとYの染色体が関係していた。私たちはどのようにして男性になり、女性になったのかという、一見考えたこともないような疑問を改めて探ることで、“男性消滅”という言葉の真意が見えてくる。

生存スキルとしての性転換
人間の男性の未来が危惧されている中で、ある能力で社会の均衡を保つ生き物がいた。
”性転換”それは魚類達における生存戦略。例えばメスがいなくなるとオスがメスに性転換するクマノミや、オスにもメスにもなれるオキナワベニハゼだ。オキナワベニハゼはなんと卵巣と精巣の両方を持っており、社会的に足りない性の方へと性転換をするというのだ。このように彼らの生態は私たち人間からはまるで考えられないものだった。魚類のダイナミックな生態から見えたきた性の多様なあり方とは?

「蚕」にみる新たな性決定の姿
人間が”女性になろうとしている”のならば、布の原料などで知られる蚕は”オスになろうとする”生き物だった。可愛らしい見た目とは裏腹に、「オスになれないからメスになる」というなんとも不思議な生態を持っていることが分かった。
そしてそこには動物のXとYの染色体による性決定とは全く異なる、ZとWという染色体による性決定があった。蚕から見つかった新たな性決定のメカニズム。それはまさに何が起こるか分からないミステリーの世界だった。

オスが生まれない社会。脅威の微生物”ボルバキア”
男性の淘汰は人間にだけ危惧されていることではなかった。
「この現象は100匹子供がいたら100匹全員が雌になってしまう!」農業生物資源研究所の陰山さんは驚くべき事実を語った。昆虫社会では今、メスばかりが生まれてしまう現象が起きているというのだ。一体何が起きているのだろうか?
それは”ボルバキア”という恐るべき微生物が原因だった。名前からして禍々しい彼らは、その作用によって昆虫の社会を歪めてしまうかもしれない。そしてその姿はもしかすると人類の未来を暗示しているかもしれない。今、性決定の仕組みを変えてしまう脅威の微生物に迫る。

男性存続の可能性 Y染色体を持たない生物
人間にとってY染色体消滅はすなわち男性の消滅を意味している。しかしそんな中でこんな生き物がいることが分かった。“トゲネズミ”はなんとY染色体を持たないのだと言う。
これまでの動物の常識を超えたトゲネズミは一体どのようにして性決定をし、どのようにして子孫を残すのだろうか。謎多き生き物から見えてきた新たな性決定のメカニズム。そこに人間の男性淘汰回避の可能性はあるのか。人類の未来を照らすかもしれない“トゲネズミ”の不思議な生態とは?
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