ガリレオX

ガラスの魅力 文明を支える不思議な物質

BSフジ
本放送:04月10日(日)昼11:30~12:00
再放送:04月17日(日)昼11:30~12:00

透明で硬い物質“ガラス”。古くから窓や器、照明器具などに用いられ、中には美術的価値を持つものもある。さらに現在では、スマートフォンやコンピュータのディスプレイ、光ファイバーケーブルなどにも用いられ、改めて周囲を注意深く見ると、ガラスで作られたものがたくさんあることに気づく。  現代人の暮らしに欠かせないガラスだが、そもそもガラスとはどのようなものなのだろうか?なぜガラスはこれほどまでに身近な材料となったのだろうか?美しさと機能性を兼ね備えたガラスの魅力を探る。

ガラス工芸品は、いかにして造られるのか?
 硬く透明なガラスは、形を変え、時に見る人々を魅了する。そのようなガラス製の美術工芸品はどのようにして造られているのだろうか。ガラス造形のプロフェッショナルを育成している富山ガラス造形研究所でその作品の制作過程を見せてもらった。そこでは、溶けて柔らかくなったガラスを、まるで風船のように膨らませたり、型に溶かし込む事で複雑な形に造成したり、冷えて固まったガラスに表面加工をする事でその美しさに磨きをかけていた。

世はまさに『ガラス時代』 
 素材としてのガラスの用途は、今日では日用品にとどまらず情報化社会を支える光ファイバーケーブルやレンズ等の先端技術にまで広がっている。しかし、ここまで広く使われているガラスとはどのような物質なのだろうか?京都大学の田部教授は、ガラスは“液体の構造を持った固体”なのだという。そして、私たちの生きるこの現代社会は、石器、青銅器、鉄器に次ぐ『ガラス時代』であると語った。

最新の科学研究で活躍する『ガラス』 
 物質・材料研究機構には、科学の先端を征く研究者たちのイメージを具現化する職人と呼べる技術者がいる。それは材料創製支援ステーションの川崎さんだ。川崎さんは研究者の持ち込んだ資料をもとに綿密な打ち合わせを行い、それぞれの要望に合わせたカスタムメイドのガラス実験器具を造っている。そして川崎さんらが造った実験装置のひとつが、ガラス特有の耐腐食性を存分に活かし15年間無休で稼働し続けることで、またひとつ、画期的な研究成果を出していた。
 あらゆるところで活躍するガラスの魅力を、工芸品づくりと科学研究の現場から探る。


主な取材先
本郷 仁さん(富山ガラス造形研究所)
田部 勢津久さん(国際ガラス年日本実行委員会 委員長)
川崎 昌彦さん(物質・材料研究機構)
阿部 英樹さん(物質・材料研究機構)

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