ガリレオX

日本の天文 四百年 その歴史と発見を追う

BSフジ
本放送:07月14日(日)昼11:30~12:00
再放送:07月21日(日)昼11:30~12:00

 ガリレオ・ガリレイが、望遠鏡を使い、木星の衛星を発見した17世紀。 その頃、日本は、中国から伝わった天文学の知識を、およそ800年間に渡り、使い続けていた。 17世紀の日本と西洋の天文学の知識の差には、大きな隔たりがあったのだ。 ところが今、日本の天文学は、世界をリードするまでには進展している。 一体どのような経緯を経て、日本は世界トップレベルの知識や技術を得てきたのだろうか?宇宙に広がる、無数の星々を探ってきた日本の天文学者と天体望遠鏡。 その四百年の軌跡を辿る。


江戸の天文
 17世紀、オランダで発明されたばかりの望遠鏡にいち早く目を付けた人物がいる。“それでも地球は回っている”で有名な「ガリレオ・ガリレイ」だ。ちなみにこの名台詞は、後世の脚色だと近年言われている。しかし彼が地動説を提唱し、ローマ教会から迫害されたのは事実だ。そして、そのきっかけを作った一冊の本が、なんと大阪市立科学館に保存されていた。また同館で、日本の天文史を専門にしている研究者は、17世紀の日本の”天文”を語る上で欠かせない、ある出来事があったという。大阪市立科学館へ訪れ、江戸時代の天文を探った。

明治の天文
 明治に入り、欧米の天文学の水準に追いつくため近代化を急いでいた日本。そんな中、世界中へ日本の天文学をアピールできる大きなチャンスが訪れる。アメリカ、ドイツ、イタリア、ロシアなどの先進国だけで行われる観測計画に、日本の参加が決まったのだ。これで良い結果を出せば、日本の天文学が初めて世界から認められる。しかしそのチャンスはピンチと化してしまう・・・。主な舞台となった岩手県水沢には、今も当時を知る資料が残っていた。

大正・昭和の天文
 関東大震災、第二次世界大戦を乗り越え、一旦は停滞していた日本の天文学は再出発することになる。その象徴的な存在が、 1960年に完成した 岡山県にある188cm反射望遠鏡だ。完成当時、アジアで最大、世界で7番目に大きい望遠鏡だった。そしてその望遠鏡の高い性能を活かすことで、日本は、世界に先駆けて、ある星を発見をすることに成功する。その星とはどのようなものだったなのか?現在も稼働している岡山県の188cm反射望遠鏡へ取材し、当時の発見を聞いた。

平成・令和の天文
 1991年、日本は途方もない一大プロジェクトを立ち上げる。それはハワイ島マウナケア山に、世界最大級の望遠鏡を建設するというものだった。その計画から1999年に誕生したのが、これまで世界初の発見を重ね、国内外問わず高い評価を得ている“すばる望遠鏡”だ。しかしその開発当初、すばる望遠鏡の大きな特徴の一つに批判が寄せられていた。ところがいま、逆にその批判の的になっていた特徴こそ、すばる望遠鏡、最大の長所となっているという・・・。一体、その特徴とは何なのか?そしてその特徴を活かすことで、これからどんなことが見えてくるのだろうか?
今も第一線で活躍し続けているすばる望遠鏡。その全容に迫る。


主な取材先
嘉数 次人さん(大阪市立科学館)
亀谷 收さん(国立天文台 水沢VLBI観測所)
泉浦 秀行さん(国立天文台 ハワイ観測所岡山分室)
吉田 道利さん(国立天文台 ハワイ観測所/すばる望遠鏡)
上田市博物館

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