ガリレオX

画像処理技術の光と影 画像を操る技術/フェイクを防ぐ取り組み

BSフジ
本放送:12月26日(日)昼11:30~12:00
再放送:01月02日(日)昼11:30~12:00

SNSにアップロードされる美男美女の姿。細く美しいくびれや、顎の先まで整ったフェイスライン。膝下からスラッと伸びるパリコレモデルさながらのスタイル。 それらは「加工済み」の画像かも知れない。 今や世界中の人々が“画像処理技術”を用いて写真を加工し、それを共有している。またその技術レベルは極めて高く、現在、目視では判断が難しい領域へと到達した。 では現在、開発・研究段階の画像処理技術はどのような事を可能にするのだろうか?また本物と見紛う加工画像に社会的な問題はないのだろうか? 最先端の画像処理技術と、フェイクを“見破る”ための研究に迫る。

在りし日の羽幌
北海道羽幌町は、日本が高度経済成長期の最中だったおよそ数十年前、国内屈指の炭鉱街として人口3万人を超える賑わいを見せていた。しかし1970年の閉山を期に、日本有数の炭鉱街は廃墟と化している。
そんな廃墟となった炭鉱街を案内してきた工藤さんは、羽幌が栄えた時代の写真を集め、町の今と過去を周知する取り組みを行ってきた。しかし半世紀以上前の写真は、ほとんど白黒。
「この写真がカラーになれば、かつての記憶も色と取り戻し、より多くの人へ羽幌を知ってもらうことができるかも知れない」
工藤さんの願いを叶えるため、我々は白黒写真をカラーにする方法を探し始めた。

白黒写真をカラー写真へ
羽幌炭鉱の白黒写真をカラーにするため、筑波大学で画像処理技術を研究している、飯塚里志さんの元へ向かった。「この写真をなんとかして、カラー化してください!」
スタッフのお願いに、飯塚さんは涼し気な表情でこう言う。
「カラー化…?すぐできますよ」
かくして白黒の写真がいとも簡単にカラー写真に!その技術とはどのようなものなのか?

画像処理技術の最前線
画像処理技術はカラー化以外にも、目まぐるしい進展を見せている。
例えば、画像に空いた穴を自動的に補完する技術や、静止画を3D化する技術、渋谷の町をまるで人類滅亡した後のように見せる技術、しかめっ面の老人の見た目を若返らせ、爽やかなビジネスマン風に変身させる技術など・・・まるで魔法のように一変させてしまうのだ。
そんな画像処理技術の最先端に迫った。

その人は真実ですか?
 国を代表する一国の大統領の言葉は当然重い。彼らの発言によっては、武力を行使することができる。ときには戦争を始めることも可能だろう。
 では、仮に“誰でも”大統領を騙り発言することができるならば、世界は一体どうなってしまうのだろうか?今、画像処理技術はそんな誰かになりすます事を可能にしつつある。
 映像に写った人物と他の人物との顔を入れ替え、あたかも当人のように振る舞うことができる「Deepfake」という技術は、現在、誰でも簡単に利用することが可能だ。そして今後、目視での判断は不可能になると推察されている。
 そんな中、偽りのデータの蔓延を防ぐ取り組みが始まっている。
一体、どのようにしてフェイクから人々を救うのだろうか?


主な取材先
工藤 俊也さん (北海道羽幌町)
飯塚 里志さん (筑波大学)
越前 功さん (情報学研究所)
山岸 順一さん (情報学研究所)
岩本 崇さん (アドビ株式会社)
秋田 夏実さん (アドビ株式会社)

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