「磁力」の発見と利用の歴史
磁力とは磁石が持つ鉄を引き付けたり退け合ったりする力のことだ。この力が最初に発見された場所は紀元前のギリシャだと言われている。その後、中国で発明された「羅針盤」がきっかけとなり世界を大きくかえる。磁力を使い海の上でも正確に方位を知ることができる羅針盤は、シルクロードを通じて西欧に渡ったことで大航海時代をもたらした。さらに時代は進み、磁力は電気との密接な関係が発見されたことで研究とその力の利用が大きく進み、現在でもモーターをはじめとする磁気製品は社会を支えている。
磁力を活用した新しい振動装置「レゾナントデバイス」
現在、磁力を活用する研究はさらに進んでいた。その一つがレゾナントデバイスという振動を発生させる装置だ。レゾナントデバイスは磁力をより精密に制御することで、現在、広く使われてる振動を発生させる装置とは異なり、多彩な振動を生み出すことができるという。そしてその多彩な振動は、触り心地まで再現が可能だという。
レゾナントデバイスとは一体どのようなものなのだろうか?また、振動で触り心地を再現するとはどういう仕組みなのだろうか?
すでにあなたの手の中に!? 磁力を活用した生活を支える技術
最新の磁力を活用する技術は、実はすでにあなたの生活を支えているかもしれない。それは、スマートフォンに搭載されているカメラ機能に関係している。スマートフォンで写真を撮影するときに自動でピントがあうのも、歩きながら撮影しても手ブレが起らないのも、磁力が活用されているからだ。スマートフォンのカメラの性能を向上させるためには磁力を上手く活用する仕組みが欠かせないという。
自動運転の安全性能をさらに向上させる「LATM」
いま研究が盛んに進む自動車の自動運転にも、磁力を活用することで、その安全性を向上させよういう研究が進んでいた。「LATM」と呼ばれる磁力を活用した新しいアクチュエータ(駆動機構)とセンサーを組み合わせることで、現在使用されているセンサーの死角を大幅に減らすことができ、その結果、安全性が向上すると期待されている。
人類が時代と共に活用してきた磁力は、現在でも新たな技術に活用され、私たちの暮らしに役立てられようと研究が進んでいた。
主な取材先
ミネベアミツミ
帆船日本丸