精子の正体
数十億年もの時を超えて、生命を紡いできた小さな存在、精子。
鞭毛を震わせながら、ひたすら卵子を目指すその姿は、まるで私たちとは異なる生き物のよう。しかし、精子には目もなければ脳もないはず。いったいどのようにして卵子の方向へと進むことができるのだろうか? 精子がもつ不思議なメカニズムを探る。
9+2の謎
精子の鞭毛の断面を覗くと、そこには「9+2」と呼ばれる不思議な構造が浮かび上がる。この構造は、精子が卵子へと向かうための動きを支えるだけでなく、私たちの体内でも重要な役割を果たしているという。
さらに驚くべきことに、この構造は地球上のあらゆる生物の中に記憶されているという。
顕微鏡に映るミステリアスな構造「9+2」、その謎に迫る。
遊泳に必要な物質
精子が卵子にたどり着くまでの旅路は、決して平坦ではない。その過酷な道のりを乗り越えるためには、ある特別な物質が必要だ。 筑波大学下田臨海実験センターでは、精子の進む方向を決める“ハンドル”のような役割を持つ物質を発見したという。
そして、その仕組みにもまた、9+2構造が深く関わっていた…
精子のさらなる謎
生物の中には、精子に複数の種類を持つものも存在する。
それらはどのような役割をもつのか?
その謎を解明するため、研究者たちは海へと向かった。
知られざる生命のミステリーに迫る海洋調査に密着する。
主な取材先
筑波大学下田臨海実験センター 助教 柴 小菊 さん
筑波大学下田臨海実験センター 教授 稲葉 一男 さん
筑波大学下田臨海実験センター 横屋 稜 さん