ガリレオX

電化で実現! 「脱炭素社会」へのチャレンジ

BSフジ
本放送:03月28日(日)昼11:30~12:00
再放送:04月04日(日)昼11:30~12:00

 今、地球温暖化への対策が世界共通の課題となっている。2015年のパリ協定の採択を契機に世界各国は温室効果ガスの削減目標を定め、その実現に向けて動き出している。そうした中、日本は昨年10月、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという野心的な目標を打ち立てた。そこで一段と注目を集めているのが「電化」の果たす役割である。  「電化」とは、これまで利用されていた化石燃料などのエネルギーを電気に置き換えることをいう。では具体的には、「電化」を推進するためにどのような取り組みが想定されているのだろうか?また今後どのような取り組みが求められているのだろうか?  脱炭素社会実現の鍵を握る電化技術に焦点を当て、その現状とこれからの可能性を探り、目指すべき「脱炭素社会」実現の行方を探っていく。

脱炭素社会の実現に光明!世界で進む「電化」
 いま世界中で問題となっている地球温暖化。その解決に向けた世界共通の課題が温室効果ガスの排出削減だ。その筆頭とも言える二酸化炭素の排出削減は喫緊の課題であり、二酸化炭素を排出しない「脱炭素社会」の実現に向けた取組みが加速している。そして、その切り札として期待されているのが、「電化」だ。これまで石油などの化石燃料をエネルギー源として用いていた場面を電気に置き換えることが進んでいけば、脱炭素社会の実現に向けて大きく歩みを進めることができるというのだ。

さまざまな分野で始まった電化
 私たちの暮らしで最も身近な電化といえば、いわゆる「オール電化」だろう。取材で訪れた住宅では、生活に必要な全てのエネルギーを電気で賄い、さらに日中に屋根に設置されたソーラーパネルで発電した電気をEV車に充電し、夜間は充電した電気を使用して、万一電力の供給が途絶えても自給自足をすることができるという。
 また、製造業の分野も脱炭素社会実現のためには電化に取り組む必要がある。高圧ガスボンベを製造している会社では、ボンベの頭部を形成するために先端部を加熱する工程に電気式の誘導加熱炉を導入した。これによってCO2排出量が削減されただけでなく、生産効率やコストの面でも大きな効果が得られたという。
 さらに航空宇宙部品や高機密性コンテナの製造などを行う会社では、塗装と乾燥の工程を行うブースにヒートポンプを導入した。ヒートポンプはエアコンではお馴染みだが、こちらに導入することによって、エネルギー使用量およびCO2排出量が大幅に削減できたという。また、作業環境も改善され、塗装の品質も向上したという。
 そして、電化の波は車や船舶などの運輸の分野にも広がっている。その一つがEV船建造のプロジェクトだ。完全に電気だけで動く商船の建造はまさに世界初であり、EV船が世の中に普及することで、CO2排出量の削減だけでなく、船の自動運転化や交通インフラとしての普及などこれまでにない価値を生み出すことができると担当者は意気込む。

電化を進めるために、どうするべきか?
 電化によって脱炭素社会の実現を図っていくためには、電力を供給する電源の脱炭素化が必須だ。つまりCO2を出さないゼロエミッション電源を増やしていく必要があるのだ。再生可能エネルギーはCO2を出すことがないため有望視されているものの、日本全国の設置可能な場所に最大限導入しても、2050年に必要な発電電力に達しないことがわかった。電力の供給側に求められる今後の取組みとは…?


主な取材先
岩船 由美子さん(東京大学)
西尾 健一郎さん(電力中央研究所)
朝野 賢司さん(電力中央研究所)
内山 洋司さん(日本エレクトロヒートセンター)
ヤマト住建
高圧昭和ボンベ
APCエアロスペシャルティ
e5ラボ

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