地球規模で進む温暖化と求められる対策
2015年のCOP21で採択されたパリ協定によってすべての参加国は温室効果ガスの排出削減目標を定めてこれに取り組むことが決められた。日本では2030年までに2013年度比で26%の削減を掲げている。温室効果ガスは主に人の活動によって生じる二酸化炭素のこと。その排出量は2013年度以降少しずつ減少しているものの、目標達成に向けた取り組みは必ずしも順調とは言い難いようだ。
再エネ先進国ドイツの取り組みと現状
再生可能エネルギーの先進国として知られるドイツではどのような取り組みが進められているのか?バルト海に面した海岸から30㎞離れた沖合にはおびただしい数の風車が並んでいた。ドイツは2030年までには総発電量の65%を、今世紀半ばには80%を再エネで賄う計画だ。しかし、再生可能エネルギーの導入が着々と進んでいるにもかかわらず、ドイツにおける二酸化炭素の排出量は一向に減っておらず、ドイツは今も欧州最大の二酸化炭素排出国だ。温室効果ガスの排出削減目標を達成するのは一筋縄ではいかないようだ。
日本が掲げる長期戦略
日本は2050年までに温室効果ガスを80%削減するという長期目標を定めている。この目標は果たして実現可能なのか?ある研究者グループは定量的な試算を行い、この目標を達成するための日本の将来像を検証した。その結果導き出された2050年80%減を達成する将来的なエネルギー・電力需給の姿とは?
日本はCO2排出削減の目標達成をどう実現させるのか?
自国の資源に乏しい日本は今後も石炭火力発電を続けるとしており、石炭火力の発電効率を高めるための取り組みが続けられている。また一方では発電所などから排出される二酸化炭素を分離・回収し、それを再利用または貯蔵する研究も始まっている。回収した二酸化炭素を実際に海底下に貯留する技術の実証試験も進められていた。
現代社会に無くてはならないエネルギー。発電を中心としたエネルギー分野での取り組みの現状と将来像に迫る。
主な取材先
浜潟 純大さん(電力中央研究所)
石川 和男さん(社会保障経済研究所)
熊谷 徹さん(在独ジャーナリスト)
大崎クールジェン株式会社
日本CCS調査株式会社