ガリレオX

フクロムシの世界 宿主をメス化する寄生生物

BSフジ
本放送:02月12日(日)昼11:30~12:00
再放送:02月19日(日)昼11:30~12:00

他者の体内に寄生し、脳を操り行動の制御を奪う。さらにはオスをメスのようにしてしまう生き物がいる!といったらどうだろうか?SF映画のたぐいと思われるかも知れない。 しかし、現実にそんな凄い生物は存在する。「フクロムシ」という寄生生物だ。 フクロ“ムシ”といっても陸上にいる昆虫ではなく、海中に生息する甲殻類の生物。 その生態は、奇想天外の宝庫といっても過言ではない。なんと甲殻類でありながら甲殻類に寄生し、宿主を都合の良いように操るというのだ。そんな奇っ怪な寄生生物フクロムシの生態に迫る。


寄生生物フクロムシとは?
千葉県館山市の海岸でフクロムシを探す研究者に密着取材を行う。
フクロムシとは、甲殻類に属する寄生性のフジツボで、カニやヤドカリに寄生する生物だ。
ではどのように寄生するのか?
フクロムシに寄生されているカニを解剖してもらい、フクロムシの全貌を覗く。

宿主の意識はフクロムシか宿主か
フクロムシに寄生されたカニなどの宿主は、単に栄養を奪われるだけではない。フクロムシの都合の良いように、体を乗っ取られて行動を支配されてしまうそうだ。更にフクロムシの恐怖はそれだけでは終わらない。なんと宿主は性別まで変化し、フクロムシの繁殖に適した傀儡へと変わってしまうと考えられているのだ。そんなホラー映画のようなことが現実に起こり得るのだろうか?
行動実験からフクロムシが宿主にもたらす現実を見る。

フクロムシの怪奇な一生
フクロムシの生活環は他の生物に比べて極めて特殊だ。
幼生時には目や触角を有し、殻をまとって自由遊泳するのだが、いったん宿主に寄生すると、体のほとんどを捨て去り、糸くずのような菌糸状になってしまうのだ。その間の幾度となく変体する生態も、まさに奇怪千万。
フクロムシはどのように一生を過ごすのか?その生活環に迫る。

フクロムシはどのように進化してきたのか?
自らの体を捨て去り、寄生することに特化し、今日まで生き延びてきた寄生生物フクロムシ。なぜそのような生存戦略を選択したのか?
フクロムシの進化の道筋を探ると、三億年以上前から続く甲殻類の軌跡が見えてきた。


主な取材先
吉田隆太さん(お茶の水女子大学)
遊佐陽一さん(奈良女子大学)
梶本麻未さん(奈良女子大学)
豊田賢治さん(金沢大学)
海遊館
岡野桂樹さん(秋田県立大学)
秋田県立大学 岡野研究室

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