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電脳空間未来都市 地理情報が現実を拡張する

本放送:09月21日(日)昼15:31~19:30
再放送:09月28日(日)朝6:00~06:30

デジタル化された都市の情報を、現実世界に重ね合わせて視覚化する技術の開発が進んでいる。場所に関連する様々な情報を“その場所”で得られるこの技術は、都市の風景をどのように変えるのか?「地理情報システム」と「拡張現実感」の融合がもたらす研究の最前線に迫った。

『電脳コイル』が現実になる?
近未来を舞台にしたアニメ作品「電脳コイル」では、「電脳」と呼ばれるデジタル情報の世界と、現実世界とが混じり合った日常が描かれている。この世界観を支えているのは、GIS(地理情報システム)とAR(拡張現実感)という2つの技術である。

AR(拡張現実感)とは何か?
完全な別世界を作り、そこで完結するバーチャル・リアリティ(仮想現実感)と違い、オーギュメンテッド・リアリティ(拡張現実感)とは、現実のものとバーチャルなものとが相互作用をし、それを可視化した技術である。ARの助けによって、肉眼では見えない注釈的な情報などを、現実の風景に重ねて見ることができるのだ。

GIS(地理情報システム)とは何か?
GISとは、位置に関する空間情報をデータ化し、加工して視覚的に表示するシステムである。たとえば、デジタル化された地図のデータベースは、GISとして有効活用され、アメリカではGISの専門家が活躍している。現在広く利用されているGoogle Mapsなどは、日常に密着したGISのひとつと言える。

電脳メガネが開発されていた!
ARとGISを用いた、メガネ装着型のディスプレイが既に開発されている。モバイルEye-Trek(アイ・トレック)では、目線の50cm先に携帯電話と同じサイズのディスプレイが提示される。また、この装置に各種センサーを組むことで、ユーザーの場所や状態、雰囲気に合わせたリアルタイムの情報提示が実験されている。

情報端末としてのARと、空間情報インフラとしてのGIS
いま立っている目の前の空間を検索するような技術が、実用化の段階に入っている。GPSと電子コンパスを搭載した携帯電話のカメラ機能を使い、現実空間をクリックして情報を引き出す空間検索技術だ。また、GPSを使わない、無線LAN電波による位置検出の技術も確立されている。

GISとARが都市の風景を変える
GISが都市に溶け込み、ARが情報をリアルタイムに可視化することで、電脳空間と現実空間はリンクし、人々の活動の幅は広がっていく。個人が自分専用のデジタルマップを持つようになり、より都市を使いこなすようになる未来が到来しようとしている。


主な取材先
長谷川晶一さん(電気通信大学准教授)
有川正俊さん(東京大学准教授)
河合敬一さん(Google)
龍田成示さん(オリンパス未来創造研究所)
山崎順一さん(NECマグナスコミュニケーションズ)

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