東京から始まった日本の火力発電
日本橋茅場町。オフィスビルが並ぶ街中に、「電燈供給発祥の地」と記された碑が立っている。明治20年11月、この場所に日本初の火力発電所が誕生した。当時使用されていたのはエジソン式直流発電機。直流のため送電ロスが大きく、電気を送ることができたのは2kmほどだったという。
熱効率を上げろ! 世界トップの日本の発電技術
燃料が持つエネルギーのうち、どれだけを電気に変えることができたのかを示す「熱効率」。東京電力・川崎火力発電所では、天然ガスを燃料に、世界最高水準の熱効率59%を実現している。この59%を可能にしたのが、「コンバインドサイクル発電」と言われる最先端の発電方式。「コンバインドサイクル発電」の仕組みに、実際の発電所の現場から迫る。
石炭は古くない? 世界を支える石炭発電
産業革命の時代から、文明の発展を後押ししてきた「石炭」。実は現在も日本の総発電電力量の約27%をまかなっている。J-POWER磯子火力発電所では、石炭をミクロン単位に砕いて燃焼させる技術により、世界最高の熱効率を実現している。さらに驚くことに、大気汚染物質をほとんど出さずに発電することが可能になっているという。
石炭をガスに変える!?
石油や天然ガスに比べて埋蔵量が多い石炭を新しい技術から見直そうという研究が進んでいる。石炭をガス化することにより熱効率を高め、二酸化炭素の排出を減らそうという研究や、石炭からつくられたガスからあらかじめ二酸化炭素を取り除いてしまおうという研究も進んでいる。
主な取材先
高橋 由多加さん(東京電力 電気の史料館)
藤森 礼一郎(電力ジャーナリスト)
三浦 文雄さん(東京電力 川崎火力発電所)
池杉 守さん(J-POWER 磯子火力発電所)
神田 英輝さん(電力中央研究所)
石橋 喜孝さん(クリーンコールパワー研究所)
三澤 信博さん(J-POWER)



