ガリレオX

大学博物館へいらっしゃい ニッチだけど面白い!とっておきの知的体験

BSフジ
本放送:03月27日(日)昼11:30~12:00
再放送:04月03日(日)昼11:30~12:00

例えば約40万年前の巨大なワニの全身化石、かつて使用されていた拷問や刑罰の道具、さらには明治から現在にいたる工作機械のラインナップなど、ニッチだがどこか興味をそそられてしまう存在。実はこれらは大学に併設されている”大学博物館”に展示されているものだ。  大学博物館とは文字通り大学が設置している博物館だ。主に研究のために収集した学術資料や研究成果を展示し一般に公開している。意外と知られていないが、実はほとんどの大学がこうした博物館を設置し、私たちの来館を待っている。その展示は一見地味だが、そこでしか見ることができない貴重な展示も多く、マニアックだがそれがかえって面白い!と来館者から高い評価を得ているという。今回はそんな身近にひっそりと門戸を開いている大学博物館を実際に訪問し、その魅力ととっておきの知的体験をお届けしていく。

大学博物館って何だ?
 巨大な恐竜の化石や飛行機の模型、大人になった今でも私たちの知的好奇心をくすぐりワクワクさせてくれる博物館。実はもっと身近なところに大学博物館というものがあった。大学に関する様々な情報発信をしている花岡さんは、「大学博物館とは大学の研究成果や成り立ち、歴史などを展示している施設であり、その大学が社会に発信したいことが凝縮されている場所だ」と語ってくれた。一体どのような魅力があるのだろうか?実際に訪れてみることにした。

処刑道具が展示されている博物館⁉
 明治大学アカデミーコモンの地下を進んだ先に、罪人を捌く断首台、いわゆる「ギロチン」が不気味な雰囲気を醸し出していた。
 明治大学博物館は商品、刑事、考古という3つのテーマで展示がされており、目玉の刑事部門はかつて刑罰に使用されていた道具やその様子を表した絵画、貴重な当時の資料などを見ることができる。生首の絵画や、処刑の道具、一見ちょっと身じろぎしてしまうような生々しいこれらは何故展示されているのか?そこには日常生活で中々感じられない、法律や刑罰を考えるきっかけになって欲しいという思いがあるという。ここでしか見ることができない法律と刑罰の世界を体験。

渋い!歴史ある工業製品を味わう
 辺り一面、見渡す限りずらりと並んだ工作機械、その数約270。日本工業大学の工業技術博物館では明治以降使われてきた様々な工作機械や歴史的価値のある工業製品を展示していた。
注目の展示は110年前の町工場の再現展示だ。ドラマなどでよく見かけるセットだが、紹介の看板を見ると実際にドラマに使用された過去があるのだとか。実際に稼働する様子をデモンストレーションしてもらうと、見たこともないはず当時の様子が頭に浮かんでくる。


仏教を感じる!龍谷ミュージアムにいらっしゃい
 次に訪れた龍谷大学の龍谷ミュージアムは、普段仏教を身近に感じられない人でも気軽に仏教の世界を味わえる世界初の仏教総合博物館。最初のフロアの入り口では、普段見慣れている仏像とはちょっと違う表情の仏像が私たちを出迎えてくれる。仏像好きはもちろん、これまで何となくでしか仏教に触れてこなかった人でもその繊細な造形や歴史を感じることができる。
そして目玉のベゼクリク石窟復元展示では、失われた中国の石窟の大回廊が見事に再現されている。その圧巻の様子を是非その目で体感してほしい。

新たな試みと巨大ワニ、これからの大学博物館
 大阪大学博物館の看板、約8メートルのワニの全身骨格化石は、他の博物館の恐竜化石にも見劣りしない圧倒的な存在感を放っていた。なんとこのワニ、全身骨格化石というだけでも珍しいのに発見場所が大学の敷地内なんだとか。
そんな個性溢れるワニを展示している大阪大学博物館だが、ここから新たな取り組みが始まっていた。それは大学院生が開発したバーチャル上で展示物を見ることができるというものだ。一体どのような想いで開発に至ったのか?そして新たな取り組みからこれからの博物館についての在り方について考えていく。


主な取材先
花岡 正樹さん(ホトゼロ)
外山 徹さん(明治大学)
日比 佳代子さん(明治大学)
清水 伸二さん(日本工業大学)
平柳 恵作さん(日本工業大学)
村松 加奈子さん(龍谷大学)
伊藤 謙さん(大阪大学)
五十里 翔吾さん(大阪大学)

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