ガリレオX

海綿 謎多き海の生命体に秘められた可能性

BSフジ
本放送:10月27日(日)朝08:28~08:58
再放送:11月03日(日)朝08:28~08:58

 様々な生物の名前や生態が記されている生物図鑑。 その中には誤った種の名前で紹介されることが多い生物がいる。海底に生息する生物「海綿(カイメン)」だ。海綿は、地球のあらゆる海に生息するが、その分類は難しく、研究者が見ても判断がつかないことが多いのだ。またその種類や繁殖方法など、未だ解き明かされていない謎も多く残るという。 果たして、海綿はどのような生態をもつ生物なのか?黒潮生物研究所の海綿博士こと、伊勢博士が行う海綿の海洋調査に密着し、その正体に迫る。


海綿を探る海洋調査に同行
 食器などを洗う台所用のスポンジ。普段何気なく使っているが、実はその大半が“ある生物を模倣して作られた人工のスポンジ”。
黒潮生物研究所の伊勢さんは言う、その元となった生物は「海綿(カイメン)」と呼ばれる天然スポンジだと。
天然のスポンジとは?動物?植物?
海綿の正体を確かめるため、伊勢さんが行う海綿の海洋調査に同行した。

海綿解剖実験
 英語ではスポンジと呼ばれる海綿。確かに見た目はフワフワしていそうなのだが、その内部はどうなっているのだろうか?伊勢さんに解剖実験をしてもらい、海綿の中身を見ると、他の生物には無い独自の器官を持っていることがわかった。
 そして、その器官は地球生命にとって非常に重要な役割を担っていた…

理解不能!驚異の生態の数々
 実は海綿のほとんどはスポンジ状ではないという。ではスポンジ状ではないスポンジ(海綿)とはどのような姿をしているのだろうか?
 伊勢さんに海綿の標本を見せてもらい、深海から淡水まで生息する様々な海綿の生き様を探る。


海綿から新薬へ
 海綿を研究して何の役に立つのか?とその前に、既に海綿から見つかったハリコンドリンBという天然化合物から乳がん治療薬が開発されている。ハリコンドリンBは、強力な細胞分裂阻害作用をもち、がん細胞にアポトーシスを引き起こすことで抗がん作用を示す化合物。他にも海綿には、まだまだ私達に有用な物質が眠っていると考えられているのだ。

まさに海綿は宝の山
 まだまだ海綿には有用な物質が眠っていると予想されている。しかし、海綿の研究者は少なく、たとえ海綿から薬になるような物質が見つかったとしても、それが何という名前の海綿で、どこに生息する海綿なのか?といった見分けがつくことは少ない。
そんな中、北海道大学の酒井さんは、これまで新型コロナウイルスやエボラウイルスの感染を防ぐ物質を、海綿から見つけてきた。
 そして今度は日本で唯一(世界でも数十人)海綿の分類学を進めてきた、黒潮生物研究所の伊勢さんと協力し、有用な物質をもつ海綿を探し求める調査に出るという。その海洋調査に同行し、未知の海綿の姿に迫った。

ちなみに
食べれる海綿はない!


主な取材先
伊勢 優史さん(黒潮生物研究所)
酒井 隆一さん(北海道大学)

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