筋肉とは何なのか?
私たちの全身に張り巡らされ、私たちの体を動かしている筋肉。この筋肉は縮むことで私たちの身体を動かしてくれる、いわばエンジンだ。そして、筋肉はトレーニングによってその能力を向上させることができ、かつ大きく成長する。日本体育大学の教授であり、ボディビルダーとしても活躍する岡田さんは、筋肉がなければ私たちは生きていくことができないのだという。
“動物”を“動く物”にした筋肉
動物がその名の通り「動く物」であるために欠かせないのが筋肉だ。筋肉を獲得した動物たちは、地に根を張った植物を尻目にそれぞれのフロンティアへ旅立つこととなった。しかし、現在自由自在に海を泳ぎ、地を駆け、空を翔ることを可能とするこのこの筋肉は一体いつ誕生したのだろうか?5億3,000万年前の化石に最古の筋肉の痕跡が見つかった。
マッチョになるためだけが筋トレではない!?
現代人に最も必要なモノのひとつが「運動」だ。ウォーキングやジョギングをはじめとする有酸素運動は誰しも経験的にその効果を感じているが、筋トレは果たして健康のために有効なのだろうか?いまだにスポーツ技能の向上や、自分の体をシェイプアップするために行う物であるというイメージが強い筋トレだが、その常識を覆す報告があった。
筋肉が分泌する「マイオカイン」
私たちの身体を動かす筋肉は、力を生み出すだけの臓器ではない。筋肉には、これまで膵臓から分泌されるインスリンでしか下げることのできないと考えられてきた血糖値を、“AMPキナーゼ”と呼ばれる酵素を使って下げる能力が備わっていることが分かっている。さらに、世界中で探索が続けられてきた“マイオカイン”と呼ばれる、p筋肉が分泌する信号物質の存在が世界で初めて明らかになった。
筋肉は私たちの体の中でどのような輝きを放つのか?力をもたらすだけではない、筋肉の潜在能力に迫る。
主な取材先
日本体育大学 岡田 隆さん
山形大学 中内 祐二さん
東北大学 門間 陽樹さん
東京都立大学 藤井 宣晴さん