ガリレオX

究極の天体ブラックホール 人類がはじめて目にした姿

BSフジ
本放送:06月23日(日)昼11:30~12:00
再放送:06月30日(日)昼11:30~12:00

2017年4月。世界中の望遠鏡を結集させて、ブラックホールの存在を探る大規模な観測が行われた。その結果得られたのが、人類史上初となるブラックホールの画像だ。この成果には日本の研究者も大きく貢献した。ではブラックホールとはどのような存在なのか。そして今回の成果によってどのようなことがわかったのか?史上初のブラックホールの撮影という快挙から、その謎に迫まる。

ブラックホールの撮影に成功。
2019年4月10日。ある画期的な研究成果が発表が行われた。謎に満ちた天体・ブラックホールの姿を撮影することに史上初めて成功したというのだ。あくまで予測でしかなかったブラックホールの存在が、今回の成果によって直接的に証明されたのだ。

ブラックホールとは
ブラックホールとは、物体が高密度に押し込められてできる、とてつもなく重い天体だ。桁外れに強い重力で、まわりの光や物質などすべてを飲み込み、一度その中に入ると、秒速30万キロメートルの光でさえ脱出することができない。そのため暗黒の天体となり、ブラックホールと呼ばれている。まさに宇宙の怪物のような存在だ。これまでの研究から解かってきたその驚くべき姿とは・・・。

ブラックホールを撮影するには
今回の観測対象となったブラックホールは地球から何万光年も離れた場所に存在している。そのためそれを撮影するためには、驚異的な視力を持つ望遠鏡が必要になる。具体的には、なんと地球と同じ直径の望遠鏡が必要だという。しかし、そんな望遠鏡を作り出すことは不可能だ。研究者たちは、創意工夫を凝らし別の方法でこの難題を解決した。名付けてEHTプロジェクト。世界18カ国から207名もの研究者が参加した、そのプロジェクトとはどのようなものだったのか。

明らかになったブラックホールの真の姿
こうして捉えられたブラックホールの姿からどんなことが明らかになったのか。1つ目の発見はブラックホールの驚くべき重さだ。今回のブラックホールは太陽の約65億倍という桁外れの重さだという。そしてもう一つの発見は、画像の明るさの違いからブラックホールが回転しているという事実が明らかになったことだ。さらに、今回の観測結果がアインシュタインの一般相対性理論が予測したブラックホールとほぼ一致していたことも明らかになったという。

新たなる謎
しかし今回の観測で全てが明らかになったわけではなかった。残された謎の1つがジェットだ。ジェットとはブラックホールの周辺から高速のガスが噴出する現象で、このメカニズムは明らかになっていなかった。EHTプロジェクトでは、新たな観測計画を進めており、ジェットの謎に迫ろうとしている。


主な取材先
国立天文台 水沢VLBI観測所
田崎 文得さん
本間 希樹さん

国立天文台三鷹キャンパス
川島 朋尚さん
秋山 和徳さん

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