「怒り」とはなにか?
イライラ・ムカムカするレベルから激怒・憤慨と形容されるものまで多様な強度がある怒りの感情。ひとたびこの怒りに心が支配されてしまえば、心身ともに攻撃的・暴力的な状態ともなり、人に向けて表出すれば凶器ともなりうる。ではなぜこの危なっかしい「怒り」は、現在に至るまで淘汰されず私たちの心の中に在り続けているのだろうか?その理由は、人間の社会構造にあるのだという。
怒りがもたらすポジティブな効果
人間関係に亀裂を生み、破綻をも招くと考えられてきた怒りの感情だが、その表出によるポジティブな効果の研究が行われている。友人同士や恋人同士など、親しい関係にある2人組においては、なんと怒りの表出具合によって絆が深まることがわかってきたのだ。
動物も苛立つ?
イライラ、ムシャクシャ、モヤモヤ。自らの欲求が満たされず、不満で歯痒く感じるような状態で攻撃的になってしまうのは、ヒトだけでなく動物も同じであることがわかってきている。マウスを用いた実験では、ケージの住民マウスを挑発すると、その鬱憤を晴らすかのように八つ当たりをする様子が観察され、その脳内活動が解析されている。そしてそこに現れた大きな謎はマウスたちの「個体差」だ。
私たちの心を乱す怒りの感情の本質と、怒りが引き出す攻撃性に迫る。
主な取材先
鈴鹿医療科学大学 上原 俊介さん
筑波大学 高橋 阿貴さん






