ガリレオX

秘めたるキノコの力 解き明かされるヒトとキノコの関係

BSフジ
本放送:11月08日(日)昼11:30~12:00
再放送:11月15日(日)昼11:30~12:00

 身近な食材として私たちに親しまれている“キノコ”。しかしその正体をご存知だろうか?  イギリスの菌類学者 ホークスワース(1991年)は、イギリスの菌類と植物の比率が6:1であることから、地球上には約150万種類の菌類が生息しているはずと推測している。しかし現在、確認されている菌類は約10万種。キノコに限定すれば更に種類が少なくなる。つまりキノコは、生態や生息領域、種類など、その殆どが未知という謎多き生物なのだ。  そんな身近でミステリアスなキノコの正体を探ると、紀元前より続く私達との繋がりや、貴重な栄養源であること、更には新薬への可能性を秘めていることが見えてきた。

生物がキノコの食べる理由
 森の中の朽ちた木をよく見ると、キノコの姿を発見できるはず。そしてそのキノコを更に観察すると、キノコを食べている虫たちを見つけることができるのではないだろうか?実はキノコを食べるのは私達ヒトだけではない。地球上に住まう数多の生物達が、キノコを食べ栄養を得ているのだ。ではキノコにはどのような栄養素があるのだろうか?多くの生物がキノコを食べている理由を探る。

キノコを食べる体内の生物
 私達の体内にキノコを食べる生物がいる。ヒトの体内に600兆以上生息し、体重の1kg以上の重さを占めるといわれる“腸内細菌”だ。近年の研究で、キノコの中にある[とある成分]が、腸内細菌たちを活性化させ、宿主の生物を太りにくい体質へと変えることが見えてきた。一体、何故そのような現象が起こるのだろうか?

縄文時代とキノコ
 いつから私達はキノコを食べてきたのか?その答えとなるヒントの一つが青森県に眠っていた。縄文時代に作られた遺跡からキノコの形をした土製品が出土しているのだ。しかし何故キノコの形をしているのか?またどのような用途で作られていたのか?といったキノコの形をしている理由については、未だ謎とされている。そんな中、キノコの形をした土製品の用途について、今までにない仮説が提唱されていた。

“キノコ”の秘めたる力
 これまでキノコを含めた菌類から、様々な薬が生まれてきた。
 古くは、アレクサンダー・フレミングが菌類から作り出した世界初の抗生物質“ペニシリン”(1928年)。近年では、河川盲目症により3億人以上が失明の危機に瀕していたのを救うため、大村 智博士が菌類から発見、開発した薬“イベルメクチン”(1979年)など、菌類に秘められた力によって私達は救われてきた。
 そして今、悪化する地球環境を救うため、キノコに秘められた力の一端が、また一つ解き明かされようとしていた。


主な取材先
野菜料理研究家 カノウ ユミコさん
国立科学博物館 保坂 健太郎さん
玉川大学 石﨑 孝之さん
東北大学大学院 都築 毅さん
日本菌学会 工藤 伸一さん
宇久井ビジターセンター

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