苔ガール!
ルーペ片手に道端に座り込み、何かを熱心に観察している女性たち。実は、彼女たちが観察しているのは「苔」。最近、苔見学ツアーが女性たちの間でちょっとしたブームで「苔ガール」と呼ばれています。彼女たちは、苔がもつ「美しさ」や環境変化に対する適応力の強さといった「生き様」に魅了されているのです。
コケ坊主?
苔が様々なところで生息しているのを見るにつけ、その適応力の強さは実感しますが、我々が想像もしないようなところにも生息しているのです。それは南極の湖。そこでは「コケ坊主」と呼ばれる独特な生態システムをもった苔が存在し、しかも大群落を形成しています。南極という厳しい環境のなかで、コケ坊主はどうやって生育し、大群落を形成しているのでしょうか?
苔と植物の陸上進出
植物が進化とともに、水中から陸上へと進出する際に大きな問題となったのが「乾燥」です。体内の乾燥をいかにして防ぐかという対策は、植物が陸上で生活するための必須条件の一つでした。そメカニズムを植物がどう形成してきたのか、植物の「水中から陸上への進出」というダイナミックな進化が「苔」の遺伝子に関する研究から見えてきたのです。
苔の再生能力
植物進化の謎を解き明かす鍵となる遺伝子だけでなく、苔の細胞は、切断されても改めて再生してくる特殊な能力をもっています。その再生の引き金となるのがステミンと呼ばれる遺伝子なのですが、この遺伝子の正体とは何なのか。またそこから考えられる新しい技術とは?
主な取材先
伊村 智(国立極地研究所)
出村 拓(奈良先端科学技術大学院大学)
長谷部 光泰(基礎生物学研究所)
馬場 知哉(国立遺伝学研究所)
吉澤 かおり