生物は進化の過程で“歯”を獲得した
“歯”は、およそ4億年前に進化の過程で生物が初めて歯を獲得したとされる器官だ。そして、その初めて歯を獲得した生物の仲間は、現在も海で見ることができると、進化生物学研究所の今木さんはいう。歯を初めて獲得した生物とは、一体どのような生物だったのだろうか? また、その生物はどのような歯を獲得したのだろうか?
人類の進化と歯
時代は進み、地球上に私たち人類の祖先も登場した。そしてその歯は、これまでにはなかった新たな特徴を備えていた。そのような歯は、人類の進化にも密接な関係あると、国立科学博物館の森田さんはいう。人類の進化に歯が与える影響は、良い面だけではなく悪い面もあった。
紀元前から始まる歯科治療
歯の病気に悩み続けた人類は、ついに歯科治療を始めた。その時期は、人類は文明を築き始めた頃、紀元前にまで遡るという。長崎県歯科医師会に収蔵されている資料から歯の治療の歴史を紐解く。どのような治療を行っていたのだろうか?
現在の歯科治療
そして現在、発展を遂げた歯科治療が行われている。近年、虫歯になる患者が減り、逆に歯周病の患者が増えていると、歯科医師の生田さんはいう。虫歯と歯周病、これらの病気はどのように起こるのだろうか? そして新たに、歯周病は歯を失うだけでなく、全身の病気を引き起こしていることが明らかになってきた。特にこれからの日本社会にとって、歯周病をしっかりと治療することは、ますます重要になってくるという。
歯周病の画期的な治療法
歯周病の中でも進行が速い、特異的なものがある。その病気は、例えば20代で発見できなければ、30代には歯がなくなってしまうと、歯科医師の安藤さんはいう。安藤さんは、重度の歯周病の治療や、病気によって歯を失ってしまった患者に対して最新のインプラント治療を行っている。その治療法は従来のインプラント治療とは異なる画期的な方法だという。
生きるために重要な役割を持つ歯で起こる病気と、その治療の歴史を巡り、さらに最新の歯科治療に迫る。
主な取材先
今木 明さん(進化生物学研究所)
森田 航さん(国立科学博物館)
生田 図南さん(歯科医師)
安藤 正実さん(歯科医師)
長崎県歯科医師会