星の壮絶な最期
大質量の恒星が超新星爆発を起こすと莫大なエネルギーが宇宙空間に放出される。ベテルギウスの場合、太陽が100億年かけて放出するエネルギーを、わずか数秒の間で放出。昼間でも地上から明るく見えるほどになるという。その大爆発に至るまで星の内部では何が起こっているのか?
元素誕生の鍵を握る超新星爆発
私達が暮らすこの世界は約90種類に及ぶ元素で作られている。しかし、宇宙が始まった段階では水素とヘリウム以外の元素はほとんど存在していなかった。もともと存在していなかった元素の多くは、星の内部での核融合反応によって作られ、超新星爆発で宇宙に放出されることで空間に存在するようになったという。その元素が作られるメカニズムとは?
鉄より重い元素発生の謎
星内部の核融合反応は、鉄よりも重い元素を生み出すことができない。そのため、重い元素が宇宙に存在していることは大きな謎となっている。ある仮説によれば、超新星爆発で起きる別の反応により、一瞬の間にそれらの元素が作られた可能性があるという。加速器を使って人工的に超新星爆発を再現する実験現場に迫った。
宇宙の進化を探る
私たちが生きる宇宙は、超新星爆発が幾度となく繰り返された結果、現在の姿で存在している。宇宙創成以来の元素分布をコンピュータ・シミュレーションで予測することによって、銀河がどのように生まれ進化してきたのかという壮大な謎に挑む研究も進められている。
主な取材先
野本憲一さん(東京大学数物連携宇宙研究機構)
前田啓一さん(東京大学数物連携宇宙研究機構)
野沢貴也さん(東京大学数物連携宇宙研究機構)
和南城伸也さん(マックス・プランク研究所)
青木和光さん(国立天文台)
櫻井博儀さん(理化学研究所)
小林千晶さん(ハートフォードシャー大学)



