3月11日、日本の地形が変わった
巨大な津波を引き起こし、東北地方に大きな被害をもたらした東北地方太平洋沖地震。この地震の持つエネルギーによって日本列島は大きく変形し、宮城県の牡鹿半島は太平洋側に約5mも移動した。その地殻変動はいまも続き、そのエネルギーは地震のマグニチュードに換算すると8.5を超えているという。
関東地方で活発化する地震活動
日本列島を大きく変形させた地震は、関東の地下のバランスも大きく変化させた。東京大学地震研究所が地震後に行った解析によると、3月11日以降、関東の地下の多くの領域で地震が起きやすくなっていることが示された。実際の観測でも、8月までの5ヶ月間で7倍もの地震が記録され、特にプレート境界で地震が増えていることがわかった。
首都圏を襲う巨大地震とは?
過去、関東地方で起こったプレート境界型の巨大地震は、1703年の元禄型の関東地震と、1923年に関東大震災を引き起こした大正型の関東地震が知られている。だが、次の“関東地震”が起こるのは、100年以上先だというのが定説だった。しかし、M9という想定外の巨大地震が起きたいま、研究者は定説より早い関東地震の再来に警鐘を鳴らし始めた。
知られざる第三の関東地震
3月11日、東北地方を襲った巨大な津波を地質調査から予見していた産業技術総合研究所の宍倉正展さんは、関東地方には文献に記録が残されていない、知られざる“第三の関東地震”が存在すると指摘。その痕跡が房総半島の地形に残されているのだという。巨大な津波を引き起こす恐れがある“第三の関東地震”とは、どのような地震なのか?
主な取材先
平田 直さん(東京大地震研究所)
石辺岳男さん(東京大地震研究所)
酒井慎一さん(東京大地震研究所)
宍倉正展さん(産業技術総合研究所)