ガリレオX

ga111023_1

太陽の異変 宇宙線が揺るがす気候変動

BSフジ
本放送:10月23日(日)昼14:30~08:30
再放送:10月30日(日)朝8:00~08:30

今、太陽に異変が起きている。2007年以降、黒点が出現しない時期が長く続き、現在もその数が低い水準のまま回復していないのだ。歴史をひも解くと、太陽から黒点が消えた時代に、地球が寒冷化したことがわかっている。さらに、極地の氷床から過去の地球環境を調べることで、太陽活動が気温だけでなく気候変動にも影響を与えている可能性が見えてきた。太陽活動は地球にどのような影響を与えるのか? 謎に満ちた宇宙と地球気候の関係に迫る。

太陽から黒点が消えた!
2007年から2年間にわたり、太陽表面上から姿を消した黒点。この異変に対して、太陽がこれまでにない異常な状態に入ったのではないかと研究者は警戒を強めている。17世紀から18世紀にかけて太陽から黒点が消えた時代に、地球が寒冷化していたことがわかっているからだ。「マウンダー極小期」と呼ばれるこの時期、日本では大規模な飢饉が起きていた。

地球の寒冷化と宇宙線
なぜ太陽表面から黒点が無くなると地球が寒冷化するのか? 地球は太陽から届く光によって暖められているが、黒点の数が変化しても日射量は変化しないことがわかっている。そこで注目されるのが宇宙から地球へ降り注ぐ宇宙線の存在だ。実は宇宙線は黒点を発生させる太陽活動と密接な関係をもっている。宇宙線と寒冷化はどのように関わっているのか?

マウンダー極小期直前に酷似する現在
近い将来、地球は寒冷化へ向かうのか? 最新の研究から寒冷化する直前の太陽と現在の太陽にある共通点が浮かび上がってきた。樹齢千年を超える屋久杉の年輪からマウンダー極小期直前の太陽活動を調べた研究から、現在の太陽活動の周期的な変化がマウンダー極小期の直前によく似ているという事実が明らかになってきたのだ。太陽で一体何が起こっているのか?

気温だけではない太陽の影響
太陽が地球に与える影響が、単なる気温変化だけではないこともわかりつつある。極地で掘り出された氷床の分析から、地球に降り注ぐ宇宙線が世界中の雨の降りかたを変えてしまうという驚くべき可能性が見えてきたのだ。地球の気候を宇宙との関係からとらえる新しい研究は気候学の常識を覆すのか?


主な取材先
常田佐久さん(国立天文台)
宮原ひろ子さん(東京大学宇宙線研究所)
冨田成夫さん(筑波大学)
及川義教さん(気象庁)
藤井理行さん(国立極地研究所)

ga111023_1ga111023_2ga111023_3ga111023_4
トップへ戻る