ノーベール賞受賞をもたらした加速器
宇宙誕生時に消えたとされる反物質の謎を解く“小林益川理論”。 高エネルギー加速器研究機構の円形加速器「Bファクトリー」は、 2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林誠さんと益川敏英さんの理論を検証するためにつくられた。電子と陽電子を加速させて衝突させることで生まれる自然界には存在しない粒子から、反物質の謎はどのように解明されたのか?
74年の歴史を引き継ぐ加速器
日本における加速器の歴史は1937年まで遡る。仁科芳雄博士による国内第1号加速器の流れをくむ理研仁科加速器センターではいま、物質誕生の謎を解明しようとしている。電子や陽子よりも重い原子核を光速の70%にまで加速するという加速器を利用して、どのようにして物質の起源に迫ろうとしているのか?
300Km彼方にニュートリノを飛ばす加速器
茨城県のJ-PARCと呼ばれる加速器。ここで作られた1兆の1億倍個という膨大な数のニュートリノが、約300Km離れた観測装置「スーパーカミオカンデ」に向けて発射された。謎に包まれた素粒子ニュートリノの正体を探るために行われた「T2K」と呼ばれる実験は、どのように行われたのか?
夢の光を作る新たな加速器
兵庫県で稼働中のSPing-8の加速器が作る強烈な光は、これまで物質の構造や元素組成を明らかにする“スーパー顕微鏡”として活躍してきた。そして今、このSPing-8の放射光より10億倍明るい光を生み出す「SACLA」と呼ばれる施設が動き出そうとしている。物質が化学反応を起こす瞬間を原子レベルで映像として記録できる SACLAは、人類が見たことのない生命現象の謎を解き明かそうとしている。
主な取材先
理化学研究所
高エネルギー加速器研究機構
大強度陽子加速器施設 J-PARC
大型放射光施設 SPring-8
X線自由電子レーザー施設 SACLA



