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人工光合成 太陽光でつくる夢のエネルギー

BSフジ
本放送:12月25日(日)昼12:59~08:30
再放送:02月05日(日)朝8:00~08:30

人類が抱えるエネルギー問題。その新たな解決策として注目されているのが人工光合成という技術だ。植物が行なう光合成のように、ありふれた材料から有益なエネルギーをつくり出すことができる人工光合成は、究極の再生可能エネルギーとして実用化が期待されている。世界的な研究競争がスタートした夢の技術の最前線に迫る。

水と二酸化炭素を使った世界初の人工光合成
2011年9月、豊田中央研究所が世界で初めて水と二酸化炭素から有機物を作り出す人工光合成装置を誕生させた。光合成の本質は太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換すること。今回開発された装置では、太陽光エネルギーをギ酸という有機物の中に貯めこむことに成功したという。

光合成の鍵を握る触媒の秘密
植物の光合成は、まず水を分解して酸素を放出し、残った水素イオンと二酸化炭素を反応させて有機物を作り出す。しかし、葉緑体で水を分解する触媒部分の分子構造は、これまでわかっていなかった。今年、大阪市立大学の神谷教授の研究グループは、この構造を世界で初めて解明し、いわば光合成の原子レベルの設計図を入手した。これにより一体何が可能になるのか?

太陽光から直接燃料をつくる
今、世界各地で人工光合成研究が加速している。そのコンセプトは「solar fuels」。太陽光から直接燃料を作り出そうという発想だ。世界的な研究競争の中、大阪大学の福住教授は、植物の光エネルギーの利用効率を遥かに凌駕する新材料の開発によって、新しい燃料製造の可能性を切り開いている。水と空気から作られる夢の燃料とは?

人工光合成はエネルギー問題を解決するのか?
2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一博士は、21世紀の人類の課題は石油や石炭などの有機化合物をいかに自分たちの手によってつくり出すかだと指摘する。そして、その方法として取り組むべき技術が、大気中の二酸化炭素を原料として有機化合物を生み出す人工光合成だと断言する。植物の光合成をはるかに越える可能性が見えてきた人工光合成の未来像とは?


主な取材先
根岸英一さん(パデュー大学)
福住俊一さん(大阪大学)
森川健志さん(豊田中央研究所)
園池公毅さん(早稲田大学)
神谷信夫さん(大阪市立大学)
工藤昭彦さん(東京理科大学)

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