メタンハイドレートとは?
20世紀前半、極寒地帯で相次いだパイプラインの故障。その原因こそが氷の中にメタンガスが含まれた物質「メタンハイドレート」だった。元々は「厄介者」だった物質が、次世代エネルギー資源として注目を集めている。そもそもメタンハイドレートはどのように生成されるのか?
海底に眠るメタンハイドレート
地球科学の分野で1970年代から進められていた海底地層調査。その調査の中でメタンハイドレートが海底に広く存在することが明らかになった。世界の海洋で見つかり始めたメタンハイドレート。はたして日本の排他的経済水域にも分布しているのだろうか?
世界初の海洋生産試験
2004年から日本近海で、資源価値の高いメタンハイドレートがどの程度存在するのかを探るために大規模な資源調査が行われた。調査が行われたのは静岡県から和歌山県にかけての「東部南海トラフ」と呼ばれる、比較的陸地に近い海底であった。その調査の中で予想を超える規模の資源量が明らかになり、具体的な生産に向けた海洋生産試験が今年から開始された。
どのように生産するのか?
メタンハイドレートは海底地下に固体として存在しているため、それを地上に取り出せるように効率良く分解してガス化することが必要であった。分解を行うには熱を与える方法と、圧力を下げる方法の2つが考えられる。そのどちらが有効な分解法であるかを探るために、産業技術総合研究所の巨大装置で実験が行われていた。「国産エネルギー」の生産に向けて開発が進められる研究の最前線に迫った。
主な取材先
戸丸仁さん(東京大学大学院)
佐伯龍男さん
(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
山本晃司さん
(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
堀沢栄さん(関東天然瓦斯開発)



