謎に満ちた音楽の正体
私たちの生活の中にあふれ、昔から人間にとって不可欠な存在であった“音楽”。なぜ私たちは音楽を聴き、音楽に感動するのか?音楽が人間に与える影響について研究している奈良教育大学の福井一教授は「人間がどうして音楽をもっているのかわからない。音楽の存在は科学的に謎」と音楽の未知性を語る。
私達の脳は音楽をどこで認知しているのか?
音楽を聴く時、私たちの脳はどのような活動をしているのか。脳の血流量を計測するPETを用いて、音楽を聴いている時の脳の反応を調べた三重大学の佐藤正之准教授は「言語における言語野のように、脳に音楽野というものは存在せず、脳の様々な場所を用いて音楽を聴くという行為が成り立っていると考えられる」と指摘する。
音楽により変化するホルモン。音楽は私たちにどのような影響を与えているのか?
音楽の謎にどのように迫れば良いのか。福井教授は人間の生理反応をつかさどるホルモンに着目し、音楽が人間にどのような影響を与えているのかに迫っている。福井教授が行った世界初の実験により明らかになったのは、音楽が私たちの情動反応を生み出すホルモンの分泌量を変化させるという驚きの結果だった。
NK細胞が明らかにする音楽療法の可能性
音楽が持つチカラを医療に活かす“音楽療法”という取り組みが進められている。しかし、まだまだ謎の多い音楽の効果をどのように調べていくのか。名古屋芸術大学の久保田進子教授は、身体の免疫機能を担う“NK細胞”を用いて音楽療法の具体的な影響力を調べた。久保田教授の研究により明らかとなった音楽療法の効果とは?科学が明らかにする音楽の正体に迫る。
主な取材先
福井一さん(奈良教育大学)
佐藤正之さん(三重大学)
久保田進子さん(名古屋芸術大学)



