ガリレオX

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電力供給の舞台裏 夏を迎える発電の現場を訪ねて

BSフジ
本放送:07月07日(日)昼13:49~12:00
再放送:07月14日(日)昼11:30~12:00

“綱渡り”の状態を続けている日本の電力供給。現在、供給量の約9割を担っている火力発電所の現状とは?今回、和歌山県の海南火力発電所を環境ジャーナリスト枝廣淳子氏が訪問し、長期計画停止ユニットの再稼働など、火力発電所における震災後の電力供給力確保の取り組みなど、火力発電所の「今の姿」をレポート。さらに、緊急設置電源の導入により電力供給力を何とか確保している状況など、電力供給量の9割を担う火力発電の現状の問題点と今後の課題を浮き彫りにしていく。

震災後の電力需給状況
2011年3月に起きた東日本大震災を契機に日本の電力供給の在り方は大きく変化した。それまで様々な発電方法をバランスよく
組み合わせていた電力供給は、震災を契機にその約9割を火力発電でまかなっている状態にある。それらの火力発電所ではいったいどのようにして電力の供給力を増やしていったのか。環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが和歌山県の海南火力発電所を訪ねた。

海南発電所の「今」
1970年に運転を開始した石油を燃料とする海南火力発電所。従来、石油火力は電力需要が高い夏場や冬場の昼間だけ運転をしていた。しかし、震災後はピーク時だけでなく常時運転するという運用に。そして11年近く停止させていた2号機タービンを再稼働させ、フル稼働体制で運用する状態が続いている。このように震災後に再稼働した発電所は、ほとんどが海南発電所と同じような石油火力である。何故なのだろうか?

2号機再稼働に向けた取り組み
震災後の電力供給に向けて再稼働した2号機タービン。実は大阪万博が開催された1970年に運用が開始された40年選手の設備であった。さらに10年以上も停止していた設備は、屋外部分の"錆び"などかなり劣化が進んでいた。その後、1万数千箇所にもおよぶ検査を行い、1年後の再稼働に向けて急ピッチな復旧作業が2011年の夏から開始された。その時の状況を発電所所長に伺った。

新しい火力発電の技術
電力供給における火力発電の比重が高まる中、火力発電の新しい技術が注目されつつある。天然ガスを元に、その排ガスをも利用して2つのタービンを回して効率よく発電する「コンバインドサイクル発電」や、石炭をガス化して、そのガスを燃料として発電をする方法である。そうした新しい技術も生まれているが、現在の逼迫した電力供給を補い、今年の夏を乗り切るにはやはり石油火力発電をフル稼働させていくことしか方法がなさそうである。現場でのトラブル回避の取り組み、そして緊急対応について迫った。


主な取材先
井上浩一准教授(北九州市立大学)
枝廣淳子さん(環境ジャーナリスト)
堂ヶ原満さん(関西電力海南発電所)

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