ガリレオX

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驚き!微生物パワー イノベーションを興す小さな主役たち

BSフジ
本放送:09月08日(日)夜22:14~12:00
再放送:09月15日(日)昼11:30~12:00

目に見えないが、私たちは常に様々な「微生物」に囲まれて暮らしている。病気の原因になるものがある一方で、病気に打ち勝つ医薬品のもとになるものがあったり、さらには食文化に欠かせないものがあったり…。私たち人間はこれまで様々な「微生物」と深い関係を築き、それを上手に利用しながら長い歴史を歩んできた。 しかし、まだまだ未知の能力を秘めた微生物は数多く存在しており、現在も新たな発見と研究が活発に続けられている。「微生物」利用を巡る最新の研究から見えてきた新たな可能性とは‥。

謎の多い微生物
“顕微鏡でしか見ることのできない生物”の総称である微生物。その数は膨大で、例えば1グラムの土の中におよそ10億も存在すると言われている。近年食品や医薬品を中心に微生物の能力を利用する研究が盛んに行われているが、私たちが知っている微生物は、実は、全体のほんの一部でしかない。まだまだ未知の微生物が数多く存在しているのだ。そうした中、近年発見された微生物の中には新たな技術革新を起こす能力を持ったものが存在している。はたして小さな小さな微生物がもつ常識では考えられない可能性とは?

発電する微生物
2000年前後に見つかった微生物になんと電気を自ら流すことのできる能力を持ったものがいた。“発電菌”と呼ばれるこの微生物を用いることで、廃棄物のバイオマスや下水などの排水を使っての発電が可能となり、例えば、微生物で汚水を処理しながら、同時に電気を生産するという驚きのシステムが生まれようとしている。こうした微生物は実は私たちの身の回りにも潜んでいる。そうした新種の微生物の発見が目的のひとつとなっている“田んぼ発電”という研究も進められている。その実態とははたして?

レアメタルの回収
産業のビタミンとも称され、日本のハイテク製品の基盤となっているレアメタル。そのレアメタルを“都市鉱山”から分譲回収する技術として、微生物を使う研究が進められている。微生物の能力を利用すれば、これまで難しかった濃度の低い排液中のレアメタルも効率よくほぼ100%回収できるという。はたして微生物はどのようにしてこの希少金属レアメタルを回収するのか?

未来への取り組み
21世紀のエネルギーとして注目されている水素。これまで主に化石燃料からつくられていたこの水素を、微生物の力で生産する研究が実用間近にまで迫っている。これが実現すれば循環型社会への取り組みの大きな一歩になると考えられ、その研究に注目が集まっている。
はたして微生物に秘められた様々な能力は私たちの暮らしや社会をどう変えていくのだろうか。


主な取材先
大熊 盛也(理化学研究所バイオリソースセンター)
小西 康裕(大阪府立大学)
渡邉 一哉(東京薬科大学)
田川 大輔(森下仁丹)
三谷 優(サッポロビール)

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