“アイソン彗星”が世紀の天体ショーを起こす!?
2012年に発見されたアイソン彗星。この彗星が今年11月から12月にかけて世紀の天体ショーを見せてくれると期待されている。なぜアイソン彗星は世紀の天体ショーを起こすと期待されているか。そこには彗星が美しい尾を引き、明るくなるための条件が関係していた。
彗星は不吉の前触れ?
人類の歴史の中で幾度となく姿を現してきた彗星。かつて夜空に突然その姿を現す彗星は、世界に不幸な事件を起こす“不吉の前触れ”とされていた。その後、望遠鏡に代表される天体観測技術の発展は彗星が天文現象であることを明らかにしていく。しかし、20世紀に入っても美しくも謎を秘めた彗星の出現は、社会に大混乱を招く事件を起こしていた。
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広大な宇宙から彗星を見つけ出せ!
彗星はどのように発見されるのか。アイソン彗星を見つけたのはロシアのアマチュア天文家。彗星の発見を目指す天文家は“コメットハンター”と呼ばれ、ここ日本にも近年活躍を見せるコメットハンターがいる。コメットハンターはどのように彗星を見つけ出すのだろうか。そして、彗星が木星へ衝突した大事件をきっかけに登場し、彗星の発見数を飛躍的に伸ばした“自動サーベイ”という彗星探査の手法とは。
彗星に秘められた46億年前の記憶
彗星は太陽系が誕生した頃の状態を保存した“太陽系の化石”とも呼ばれる。彗星研究者はこの太陽系の化石を研究することで、46億年前の宇宙に迫ろうとしている。そして、アイソン彗星の起こす天体ショーはこの研究の鍵になるという。アイソン彗星はなぜ彗星研究にとって重要なのか。世界初の観測を計画する研究者と、太陽を観測する望遠鏡を用いて行なわれるアイソン彗星の観測計画から、太陽系の化石が語る46億年前の宇宙に迫る。
主な取材先
渡部 潤一(国立天文台)
村上 茂樹(アマチュア天文家)
吉田 誠一(アマチュア天文家)
中島 洋一郎(アマチュア天文家)
河北 秀世(京都産業大学)
古荘 玲子(都留文科大学・国立天文台)