余剰次元を探る大実験
カナダのバンクーバーで世界初の実験に挑む日本人研究者がいた。彼らはこれまでの常識とかけ離れたとても不思議な存在を探っている。それは、3次元空間の外側にあるかもしれない「4次元以上の空間」だ。彼らはそれを余剰次元と呼ぶ。
余剰次元とは?
縦・横・奥行きの3次元で構成された空間を私たちは認識している。しかし立教大学の村田教授は、本当にこの世界が3次元なのかという問題を探っている。村田教授の探っているのは、3次元にもうひとつ以上の軸を加えた「余剰次元」である。なぜそのような次元の存在が物理学者の間で信じられているのだろうか?
重力から余剰次元を証明する
この宇宙を司る物理の力の中で「重力」については、まだしっかりとした検証がなされていないと村田教授は指摘する。
さらに、その重力の法則を再検証することで、余剰次元の存在を証明できるかもしれないというのだ。その検証のキーとなるのは「余剰次元の大きさ」である。1998年のある論文で発表された驚くべきその大きさとは?
2つの手法で重力を探る
村田教授は2種類の超精密な実験装置を開発し、誰も実現していない重力の検証に挑もうとしていた。1つはワイヤーに吊るされた秤が内蔵された「ねじれ秤」と呼ばれる装置だ。もう一つのアプローチは超微細な重力を探る実験で、素粒子である電子の動きを利用した手法だ。世界最高レベルの実験がカナダで行われた!
主な取材先
村田次郎(立教大学)
カナダ国立素粒子・原子核物理学研究所(TRIUMF)



