ガリレオX

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右?左?の謎 “きき手”研究最前線

BSフジ
本放送:01月26日(日)昼12:03~12:00
再放送:02月02日(日)昼12:00~12:30

自然界では、“右と左の不思議”が様々な形で垣間見える。例えば私たち人間には右利きと左利きが存在するが、その割合は右利きが圧倒的に多く、左利きは全体のわずか10%と少数派である。この割合は国や民族が異なっても変わらず、その理由はよくわかってないと言う。また近年の研究から、人間以外の生物にも右利きと左利きがあり、それが生物の進化に関係していることが解ってきた。さらに分子の世界では、私たちの体に使われているアミノ酸になぜ左型しか存在しないのかという謎があり、最近その謎を解くカギが宇宙のはるかかなたで発見された。最新科学が徐々に解き明かす右と左の謎に迫る!

“きき手”の不思議
右利き・左利きといった“きき手”と呼ばれる不思議な現象。長年続く研究では、遺伝やホルモンの影響など様々な要因が考えられているが、まだはっきりとした原因は分かっておらず、またこうしたきき手の違いが脳のどこで生まれるのかなどその多くが謎となっている。しかし、分野を超えて続けられる右と左の謎をめぐる研究から、少しずつその謎は解き明かされようとしている。

魚に見られるきき手
アフリカ中部のタンガニイカ湖に生息する“ペリソーダス ミクロレピス”という魚。実はこの魚は他の魚の鱗を剥ぎ取って食べるちょっと変わった魚で、その口の形状には“きき手”と呼べる特徴が見られる。この形状の違いは鱗を食べる捕食行動に大きく影響しており、これを制御する脳の神経基盤を探る研究から、行動の左右差を生み出すメカニズムが明らかになろうとしていた。

右巻きかたつむりと左巻きかたつむり
梅雨時期になると見かけるカタツムリ。その殻の巻き方には右巻きと左巻きがあり、右巻きの種が圧倒的に多い事が知られている。しかし東南アジアなど一部の地域には右巻きのカタツムリから種分化した左巻きのカタツムリが存在している。これまで同じ祖先から左巻きのカタツムリがなぜ種分化できたのかは大きな謎となっていた。しかし、この謎は “セダカヘビ”と呼ばれるカタツムリを捕食する蛇との関係から新たな仮説を生み出し、これまでの進化の常識を覆すような発見へとつながった。はたしてそこにはどんな驚きの発見があったのか。

分子の世界で起きる右と左の不思議
私たちの体の中のミクロな分子の世界でも、“右と左の謎”は存在している。それは生命活動に欠かせない“タンパク質”。人間の場合、このタンパク質は20種類のアミノ酸でできており、このアミノ酸には右型と左型が存在しているが、私たち生物はなぜか左型のアミノ酸だけを使っている。こうした生命のホモキラリティーと呼ばれる現象を解く鍵の一つがはるかかなたの宇宙の観測から発見された。私たちの体内で起きている右と左の謎には、生命の起源にもつながる“不思議”が秘められていました。


主な取材先
硤合 憲三 (東京理科大学)
竹内 勇一 (富山大学)
田村 元秀 (東京大学)
八田 武志 (関西福祉科学大学)
細 将貴 (京都大学)

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