ガリレオX

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睡眠・覚醒のミステリー 遺伝子からさぐる“眠り”の正体

BSフジ
本放送:05月25日(日)昼11:30~12:00
再放送:06月01日(日)昼11:30~12:00

私たちは人生のおよそ1/3の時間を眠って過ごしている。そこまで時間を費やすほど必要な“睡眠”という現象については、その役割やメカニズムなど多くのことが未だ謎のままとなっている。しかし近年、遺伝子に着目した分子レベルの研究が進展し、睡眠と覚醒のメカニズムの解明に繋がる新発見がなされるなど、少しずつではあるがその正体を捉え始めている。はたして「睡眠とは何なのか?」「なぜ睡眠は生命維持に必須なのか?」、そして「睡眠と覚醒はどのように制御されているのか?」  現代の脳神経科学が抱える最大のミステリー“睡眠”を巡る最新研究に迫ります!

私たちはなぜ眠るのか?
眠るという行為は脳を持ったすべての動物にみられるきわめて一般的な現象にも関わらず、眠気を引き起こすメカニズムは全くのブラックボックスとなっており、眠気の実態は現代科学の手法でもほとんど見当がつかない状況となっている。

“睡眠”とは?
睡眠は脳波の状態によって定義されており、 その制御は脳によって行われる事が示されている。特にほ乳類の脳には覚醒状態を維持する“覚醒中枢”と睡眠に関与する“睡眠中枢”が別々に存在しており、これらがスイッチのように切り替わる事で制御されると考えられる。しかし、いったい脳の中では何がそのスイッチを切り替えているのだろうか?

不眠症のハエ“fumin”
この謎を遺伝子レベルで解き明かそうとする興味深い研究が“ショウジョウバエ”を用いて行われている。その中で見つかった不眠症のハエ“fumin”はたった一つの遺伝子変異が原因となって、不眠症という症状が引き起こされていた。その遺伝子の正体は“ドーパミン”と呼ばれる 神経伝達物質に関わるものだった。睡眠に影響を及ぼす“ドーパミン”に起きた異常とははたして?

遺伝子が解き明かす“眠り”の正体!
こうした遺伝子から睡眠のメカニズムを探る分子生物学的研究は、ある画期的な発見をきっかけにして盛んに行われるようになった。それは現在国際統合睡眠医科学研究機構の機構長を務める柳沢正史教授による“オレキシン”という神経伝達物質の発見であった。この発見はそれまで難病と言われていた“ナルコレプシー(時•場所に関わらず突然強い眠気に襲われる病)”の原因解明につながった。そして、現在柳沢さんはおよそ数千から一万匹に及ぶマウスの観察データを元に、睡眠と覚醒の根本に関わる新たな遺伝子を探索するという世界初の一大プロジェクトを進めている。
現代脳神経科学最大の謎である“睡眠”。最新科学が徐々にその正体を捉えようとしている。私たちはなぜ眠らなければならないのか?
睡眠•覚醒のミステリーをさぐる研究の最前線に迫ります!


主な取材先
粂 和彦 (名古屋市立大学)
三島 和夫 (国立精神・神経医療研究センター)
柳沢 正史 (筑波大学)

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