脳に薬は届かない?
時と場所を選ばず突然睡魔に襲われる“ナルコレプシー”という病気。近年の研究からその原因は“オレキシン”という脳内物質の欠乏による事が明らかとなりました。しかしその治療薬の開発には、私たちの脳に設けられている、あるバリアが大きく立ちはだかっています。
強固な脳のバリア“血液脳関門”
異物の侵入を防ぐ脳のバリア“血液脳関門”。このバリアの実態は、全長約600キロメートルにも及ぶ脳毛細血管の内壁を覆う“内皮細胞”。そこでは、他の器官とは異なる不思議な構造がみられます。はたして脳のバリアはいかにして異物の侵入を防ぐのでしょうか。
関門を突破せよ!
脳に作用する薬の開発。それは、血液脳関門というバリアを突破できるものでなければなりません。驚異の構造を持つ血液脳関門という存在に、研究者達はいかにしてその突破を試みているのでしょうか。
新薬開発への可能性
血液脳関門のメカニズム全容解明に向けて今、様々な取り組みが進められています。脳に作用する薬の開発という極めて困難な課題に立ち向かう研究者達。脳のバリアを巡る研究の最前線に迫ります!
主な取材先
田中 利男さん (三重大学大学院)
寺崎 哲也さん (東北大学大学院)
長瀬 博さん (筑波大学)
古瀬 幹夫さん (生理学研究所)
柳沢 正史さん (筑波大学)