初代はやぶさの偉業
今年12月、はやぶさ2が宇宙へ旅立った。「はやぶさ2」が目指すのは、私たちも良く知っている「土星」や「木星」といったような巨大な惑星ではない。
それは宇宙空間に漂う星屑のような小さな小惑星なのだ。
では、なぜそんな小さな天体を目指しているのだろうか?その理由には、今から10年以上前に宇宙へ旅立った「初代はやぶさ」の驚くべき大発見が関係していた。
実用機第一号「はやぶさ2」
2010年に地球への感動的な帰還を遂げた初代はやぶさ。実は、小惑星探査機と呼ばれ親しまれたこの初代はやぶさは、正式には工学実験機として開発されたものだった。
そして、初代「はやぶさ」の成功に後押しされ、本格的に小惑星から岩石を持ち帰るために実用機第一号として生み出されたのが「はやぶさ2」なのだ。
新たな小惑星から何がわかるのか?
そんなはやぶさ2の持ち帰る小惑星の岩石を待ち望んでいる研究者がいる。研究者が解き明かしたい科学的な謎は、なぜ太陽系が現在のような姿になったのか?そして、太陽系の外にはなぜ太陽系と全く違う惑星があるのか?という問題だ。その謎を解き明かすためのカギとなるのが、小惑星に残された宇宙の記憶だった。
「はやぶさ2」に待ち受ける大航海
探査機の道のりは、宇宙という大海原を進む大航海に例えることができる。しかし、地球上の海とは、決定的に違う点がある。それは惑星物理に大きく左右されること。太陽系の空間では、太陽と大惑星の重力にほとんどすべて支配されるため、地球の海のように直線的に目的地へ向かう事ができないのだ。では、はやぶさ2はどのように小惑星を目指すのか?そこでは宇宙ならでわの航海技術が発揮されるのだ。
主な取材先
•國中 均さん(宇宙航空研究開発機構)
•吉川 真さん(宇宙航空研究開発機構)
•渡邊 誠一郎さん(名古屋大学)