1300年の伝統、手漉き和紙技術
岐阜県美濃市に現在でも伝統を守り作られている和紙がある。
本美濃紙だ。
この和紙と他2つの産地の和紙が、ユネスコの無形文化遺産に登録されることが決定した。世界が評価する日本の手すき和紙の技術とはどのようなものなのか、またどんな特徴を持つのか?
和紙で修復
歴史資料として重要な公文書等を保管している国立公文書館。そこでは経年変化や虫食いなどによって損傷した歴史資料の修復も行っている。そして、その修復に主に用いられるのが和紙。
和紙は1000年以上の耐久力を持ち、また加工のしやすさから古文書などの修復に使用されているのだ。しかしなぜ和紙はここまでの耐久力を保てるのだろうか?
不思議な照明
美術の分野でも和紙の様々な活用法が見出されていた。
インテリアデザイナーでもある愛知県立芸術大学の柴崎 幸次さんは和紙を使った照明作品を手がけている。立体的な文様が浮き出ているかのように見える不思議な作品だ。それらの作品に生かされている和紙ならではの特徴とは?
和紙繊維がもたらす可能性
和紙から糸をつくり、その糸を織って靴下などの製品を作っている会社がある。それらは和紙を原料にしているにも関わらず丈夫で、抗菌性や消臭性なども高く、評価は高い。
京都府立大学の細矢 憲さんはその和紙繊維がもつ、ある性質が今後の水質浄化に期待できると言う。そのある性質とは?
伝統技術と最新テクノロジーの融合
横浜国立大学の大矢 剛嗣さんは、紙とカーボンナノチューブを融合させた複合紙をつくり、その応用を研究している。日本に和紙の文化があったからこそ生まれた技術だと言う。
新しいエレクトロニクスの材料として注目されるカーボンナノチューブを紙に組みこむことで可能になる未来とは?
主な取材先
・澤村 正(本美濃紙保存会)
・阿久津 智広(国立公文書館)
・柴崎 幸次(愛知県立芸術大学)
・細矢 憲(京都府立大学大学院)
・大矢 剛嗣(横浜国立大学大学院)
・稲葉 政満(東京芸術大学大学院)
・酒井 章徳(キュアテックス)