ガリレオX

人間は再生できるか?生物から見えた形作りの秘密

BSフジ
本放送:03月08日(日)昼11:41~12:00
再放送:03月15日(日)昼11:30~12:00

イモリの尻尾を切り落としても再生してくる現象は有名だ。体長わずか10mmのプラナリアともなると、身体を細かく切断されても各々が再生するという能力をもっている。私たち人間も彼らのように自身の体を再生させることができたないものか。そのような願望はこれまで単なるSF的発想、夢物語でしかなかった。しかし、あらゆる細胞に変身が可能な「万能細胞(多能性幹細胞)」が見つかったことで、夢物語が急速に現実化しつつある。

プラナリア再生の秘密
プラナリアは地球上で最も生命力が高い生物と言われている。身体を切っても切っても再生することのできるそのメカニズムとはどのようなものだろうか。その謎をとく鍵は、身体のどの部位にも変身することのできる「幹細胞」と呼ばれる細胞にある。万能細胞とも呼ばれるその細胞がプラナリアの全身に存在することがわかってきたのだ。

「再生」に必要なもう一つの条件
しかし、万能細胞があらゆる部位の細胞再生を実現したとしても、臓器を形成する機能が働かなければ再生したとは言えない。それは、カエルの受精卵がどのようにして、オタマジャクシから成体へと変化していくのかという“発生の問題”と重なる。受精卵が様々な身体組織へと生長していく現象は「分化」と呼ばれるが、この分化を促し誘導している「アクチビン」と呼ばれる物質の存在を世界で初めて突き止めたのは日本人研究者だった。

人間の「再生」は可能か?
万能細胞と、それを身体組織へと分化誘導する物質。この二つが「生体の再生」という現象のメカニズムを考えるうえで極めて重要な要素であることが判明した。では、「再生」に欠かせない“形作り”を行う分化誘導を具体化するには?プラナリアなど驚異的再生力を持つ研究を通じて見えてきたのは、細胞が自分の“住所”を知って形作りを行う「自己組織化」という力だった。では、その能力とはどのようなものか? 果たして私たち人間も、失った身体を再生することができるようになるのだろうか?


主な取材先
阿形 清和(京都大学大学院)
浅島 誠(産業技術総合研究所)
梅澤 明弘(国立成育医療研究センター)
阿久津 英憲(国立成育医療研究センター)

トップへ戻る