ヒトはいつから表情を得たか?
「幸福」「嫌悪」「驚き」「悲しみ」「怒り」「恐れ」
私達は顔の表情だけで、相手に自分の感情を伝えることができる。時として言葉も凌駕するこの高度なコミュニケーションツールを私達はいつ獲得したのだろうか?そしてそれは他の生物には存在するのだろうか?進化の系統樹を遡ると見えてくる表情の謎を解き明かす。
教科書を書き換える研究
耳や目、鼻、口、などの感覚器官の集合である「顔」。
しかし我々の祖先であるナメクジウオやホヤは、この顔という部位を持たない。では我々はこの顔という部位をいつ獲得したのだろうか?それを解き明かす研究から約100年間信じられてきた発生学の通説が覆す論文が発表された。
ヒト以外の表情
ヒト以外の動物は表情でコミュニケーションできるのだろうか?
それを確かめるべくフサオマキザルを使ったある実験が行われた。その実験結果から見えたのは意外にも霊長類からヒトに至る表情の進化過程の姿だった。
ロボットに相応しい表情
現在の技術用いるとロボットはどれだけ人間の姿に近づけることができるのか?
日本人の若い女性の平均的なプロポーションを持ち、人間らしい歩行をすることができる「HRP4C 未夢(ミーム)」というロボットが開発された。この未夢、実は歌を歌うことができ、さらに表情をもつ。ロボットに表情を持たせようという試みは、よりヒトの表情を研究する必要があったという。ロボット研究から見るヒトの表情に迫る。
主な取材先
主な取材先
梶田 秀司(産業技術総合研究所)
後藤 真孝(産業技術総合研究所)
中野 倫靖(産業技術総合研究所)
藤田 和生(京都大学大学院)
橋本 主税(JT生命誌研究館)
馬場 悠男(国立科学博物館)
原島 博(日本顔学会)